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チャイナマネー:不動産開発会社が本土で資金調達へ、海外発行債の借り換え難で

ロイター / 2020年4月1日 16時34分

[香港/上海 1日 ロイター] - ドル建て債の市場が低迷する中、中国の不動産開発会社が、海外で発行した社債の償還資金を中国本土で調達しようと動いている。

企業は通常、両替や取引の手数料を抑えるため、社債を発行した地での借り換えを行うが、新型コロナウイルス流行とそれに続くドル買いの殺到でアジアの債券の利回りが急上昇したため、企業は海外での社債発行が難しくなった。

公式データによると、中国の不動産開発会社が発行した高利回りのB格ドル建て債の利回りは、6%以下だった2月末時点からこれまでに13%以上に上昇した。

対照的に、中国債券市場の利回りは低下。当局による金利引き下げと流動性供給が背景にある。上海銀行間取引金利(SHIBOR)は2月末からこれまでに50ベーシスポイント近く下落した。

広州を拠点とするアジャイル・グループ・ホールディングス(雅居楽集団)<3383.HK>の陳卓林会長は先週、決算発表の会見で「当社は借り入れコストの低いところ、より多く資金を調達できるところならどこでも行く」と語った。

同社は今年、海外で社債を発行していないが、バンク・オブ・アメリカによると、同社の年内の海外での資金不足は9億ドルと、業界で2番目に多い。

陳会長は、海外債務の返済に配当や内部資本を活用することを排除しないとした上で、より金利の低い地でのシンジケートローンによる借入を協議中だと明らかにした。

ディベロッパー国内最大手の碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)<2007.HK>などは、資本を国内から海外に振り向ける可能性があるとしている。

龍湖集団<0960.HK>と時代中国<1233.HK>は、中国の緩和政策に乗じて上海での社債発行に取り組む方針だ。

碧桂園の最高財務責任者(CFO)は、「現在は香港市場がさほど良くないため、われわれは発行枠があっても社債を発行しない。中国本土での発行のほうがより円滑だ」と述べた。

融創中国<1918.HK>や融信中国<3301.HK>など一部のディベロッパーは、ドル建て債の価格下落を利用し、公開市場から自社債券を買い戻した。自社債券の買い戻しを検討しているディベロッパーは他にもある。

アナリストらは、海外で社債を発行する企業の大半は大手で、複数の資金調達手法を備えているため、デフォルト(債務不履行)が急増するリスクを懸念していないと語る。だが、より規模の小さいディベロッパーにとってはデフォルトリスクが増すとの見方を示した。

企業が海外での社債返済に国内の人民元を充てるには規制当局の承認が必要だ。バンカメのアナリストは、当局は送金を認める余地があるとみる。

ムーディーズによると、格付けされたディベロッパーの海外での社債発行総額は3月は37億ドルで、過去最高だった1月の165億ドルから大幅に減った。一方、中国本土での社債発行総額は3月は184億元(26億ドル)で2月の109億元から増加した。

JPモルガンの中国債券市場責任者は「市場が安定すれば、中国の不動産開発大手が先陣を切って海外で社債発行を行い、米ドル調達に動くだろう」と語った。

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