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気候変動対応、物価目標をないがしろにせず=若田部日銀副総裁

ロイター / 2021年9月1日 12時43分

日銀の若田部昌澄副総裁は1日、広島県金融経済懇談会(オンライン形式)であいさつし、日銀の気候変動対応は中央銀行の使命からの逸脱ではないとの認識を示すとともに、より喫緊の課題としての物価の安定の実現とデフレ脱却をないがしろにしている訳ではないと述べた。写真は2019年2月、アイルランドのダブリンで撮影(2021年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)

[東京 1日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は1日、広島県金融経済懇談会(オンライン形式)であいさつし、日銀の気候変動対応は中央銀行の使命からの逸脱ではないとの認識を示すとともに、より喫緊の課題としての物価の安定の実現とデフレ脱却をないがしろにしているわけではないと述べた。

若田部副総裁は、気候変動が物価と金融システムを通じて「国民経済の健全な発展」に影響を及ぼすと指摘。中銀も使命の範囲内で気候変動問題への対応を行うことは可能だと述べた。その場合、「政府との適切な連携・分業が極めて重要」と述べた。

今後の気候変動対応については、さらなる調査・研究が必要だと指摘。説明責任の観点から、データの収集と政策効果の分析・検証も求められると語った。

<米国が金融引き締めでも、日銀は政策調整せず>

若田部副総裁は2%の物価安定目標に関連して「感染症の影響によっても日本が辛うじてデフレに陥っていないのは、2%目標のもとで金融政策の積極的な緩和姿勢が揺らいでいないからとも考えられる」と指摘。グローバルスタンダードとなっている2%目標から離れれば「為替相場の不安定な動きにつながり得るので避けなければならない」と語った。

「各国中央銀行の金融政策の枠組みが収れんしつつあることは、その時々に取るべき具体的な政策がどこでも同じになることを意味しない」とも指摘。米国が金融引き締め局面に入っても「それを理由に日銀が金融政策を調整することはない」と言明した。

若田部副総裁は、物価の「実勢」を捉えるためには、携帯電話料金の変更やエネルギー価格の大きな変動といった一時的要因を取り除いてみることが適当だと指摘。それをみると、消費者物価は5年に1度の基準改定が行われた後も小幅なプラスで推移していると語った。

エネルギー・資源価格の上昇については「交易条件が悪化して所得が国外に流出する点にも注意を払う必要がある」と指摘。「所得維持のためには、マクロ経済政策を拡張的に運営するのが望ましくなる」と話した。

<経済、持ち直し基調は維持>

日本経済は、全体として海外経済の堅調な回復を背景とした企業部門の前向きな動きに支えられ、「持ち直し基調は維持されている」との見方を示した。変異株の感染者数が拡大し「内外経済の動向は予断を許さない」とする一方、「感染症の影響が収束に向かえば、前向きの循環が企業部門だけでなく家計部門へも広がっていくことが期待される」と指摘。経済全体の回復が力強さを増していくには、コロナ禍で家計・企業双方に蓄積した待機資金の動向が極めて重要な鍵を握ると話した。

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