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情報BOX:米国よりはるかに厳格、カナダ銃規制の現状は

ロイター / 2022年6月1日 14時51分

5月31日、カナダ政府は拳銃の売買を全国的に凍結する法案を提出した。写真は同日、ブリティッシュコロンビア州メープルリッジの銃を扱う店で撮影(2022年 ロイター/Jennifer Gauthier)

[31日 ロイター] - カナダ政府は30日、拳銃の売買を全国的に凍結する法案を提出した。弾倉に込められる弾数の制限や銃に似た一部玩具の禁止などを盛り込んだ包括的な銃規制強化の一環だ。

法案提出の1週間前には、米南部テキサス州ユバルディの小学校で銃乱射事件が発生し、児童19人と教師2人が死亡したばかり。

カナダにおける銃規制の現状や銃の保有状況をまとめた。

<銃は違法か>

違法ではない。カナダは銃規制が米国よりはるかに厳しいが、使用許可証を持っていれば銃器の所有が認められている。拳銃のように規制や禁止の対象となっている銃器は登録する義務がある。

国民は18歳以上で、銃器安全講習に合格しなければ使用許可証を取得できない。許可証は5年ごとに更新される。

12─17歳は年少者向けの許可証を取得すれば、狩猟や射撃競技のためにほぼすべてのライフルや散弾銃など規制対象外の銃器を借りたり、弾薬を購入することができる。

12歳未満でも、先住民の子供など、自身や家族の生活を支えるために狩猟が必要な場合は、例外として銃器の使用が認められる場合がある。

伝統的な狩猟を行う先住民は、安全講習の場所が遠すぎたり、費用がかかりすぎる場合には、受講が免除されることがある。代わりに、銃器に必要な知識を持っていることを確認するコミュニティの年長者による証明書に基づき、代替的な認定を申請することができる。

カナダは2年前、ノバスコシア州ポータピックで起きた銃乱射事件をきっかけに、ライフル銃「AR―15」など1500種余りの殺傷能力の高い銃の販売や使用を禁止した。

<銃の保有状況>

連邦政府によると、国内における拳銃の登録数は2010年から20年の間に71%増加し、約110万丁に達している。

2017年のスモール・アームズ・サーベイによると、民間人が所持する銃器は1270万丁で、100人あたり34.7丁と推定されている。

<保有者が多い地域>

王立カナダ騎馬警察によると、2020年の使用許可証保有者は220万人余り。その多くは、人口密度が高いオンタリオ州とケベック州に集中していた。次いで許可証保有者が多いのは西部のアルバータ州とブリティッシュコロンビア州。

2019年のアンガス・リードの調査によると、カナダではほとんどの銃が農村部にあり、狩猟や娯楽としての射撃で使われている。

<発砲事件による死者数>

ワシントン大学の健康指標評価研究所(IHME)の2021年の分析によると、カナダは銃器による殺人が10万人あたり0.5人で、米国は同4.12人だった。

<最近の乱射事件>

1989年:ケベック州モントリオール大で女子学生14人が死亡

1992年:モントリオールのコンコルディア大で教授4人が同僚に撃たれ死亡

2006年:モントリオールのドーソンカレッジで女性1人が死亡、19人が負傷

2016年:サスカチワン州ラロッシュで10代の若者が4人を殺害

2017年:ケベック市のモスクで銃撃事件が発生し、6人が死亡

2020年:ノバスコシア州ポータピックで、偽のパトカーを運転していた犯人が13人を射殺、放火で9人を死亡させた

<規制強化への反発>

世論調査会社レジェの2021年3月の調査によると、回答者の66%がカナダは銃規制を強化すべきだと回答した。

銃の権利擁護団体は今回の措置に反対している。カナディアン・コアリション・フォー・ファイヤーアームズ・ライツは新しい法案を「大きな不意打ち」と称した。

アルバータ州の銃器担当最高責任者、テリ・ブライアント氏は、政府が提案した拳銃販売の凍結は財産権や個人的な生活への「多大な侵入」に当たると指摘。政府による道徳的価値観の押し付けだと反発した。また、銃器の担当者を増やし、より迅速で徹底した審査を行うよう訴えた。

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