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第3四半期豪GDP、前期比+3.3% 予想上回る 前年比は-3.8%

ロイター / 2020年12月2日 13時41分

12月2日、 オーストラリア統計局が発表した第3・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比3.3%増と、ロイターがまとめた市場予想の2.6%増を上回った。シドニーで2018年11月撮影(2020年 ロイター/David Gray)

[シドニー 2日 ロイター] - オーストラリア統計局が発表した第3・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比3.3%増と、ロイターがまとめた市場予想の2.6%増を上回った。

第2・四半期は、新型コロナウイルスの流行で7%のマイナス成長を記録していたが、大規模な金融・財政刺激策を背景とする家計消費の拡大がけん引し、経済が急ピッチで回復した。

家計消費は前期比7.9%増となり、プラス成長に大きく寄与した。

GDP統計を受け、豪ドルは対米ドルで一時、0.7389米ドルまで上昇した。

足元で新型コロナ感染増加は抑えられており、第4・四半期に成長率は加速すると見込まれている。

オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は2日、第4・四半期も「しっかりとしたプラス」成長を見込んでいると述べた。

同国の累計のコロナ感染者は約2万8000人。コロナ流行をうまく抑え込み、5月下旬の経済活動再開につなげたとして世界から称賛を受けている。

さらに、政府による3000億豪ドル(2215億5000万米ドル)の景気対策とオーストラリア準備銀行(中銀)による利下げは雇用や資金需要、住宅価格、家計消費を押し上げてきた。

ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)のエコノミストはリポートで「メルボルンの力強い活動再開、消費者および企業の信頼感改善の広がり、高頻度データの上振れは、現時点で、第4・四半期の成長率がかなり堅調だと示唆している」と指摘した。

州都メルボルンを擁するビクトリア州は10月下旬にロックダウン(都市封鎖)が解除された。

国内大手行が公表した消費者のカード払いに関するデータによると、セールが開催されたブラックフライデーとサイバーマンデーを含む11月最終週に支出が拡大し、楽観ムードが示された。

<前年比ではなお大幅なマイナス>

ただ、第3・四半期の実質GDPは、前年比では3.8%減となった。今後も政策による景気支援が必要との見方が多い。

豪中銀のロウ総裁は、第3・四半期GDPは良好とした上で、新型コロナ流行による影響からの回復は不安定でまだら模様になると警告、長期的な政策支援の必要性を示唆した。

求人ウェブサイト「インディード」のエコノミスト、カラム・ピッカリング氏も「オーストラリアは間違いなく、機能的には依然としてリセッション(景気後退)にある」と指摘。「景気回復軌道を確実に維持するためには2021年およびそれ以降も財政・金融支援策が必要になるだろう」と述べた。

また、フライデンバーグ財務相は、コロナ流行後の景気回復には国内消費が重要な役割を担うとした上で、中国との貿易関係悪化について「非常に深刻」な問題だとの認識を示した。

中国はこれまでに豪州産のロブスターや牛肉、材木、石炭、ワインなどの輸入を抑制している。ただ、アナリストは鉄鉱石が対象にならない限り、経済全般への影響は最小限にとどまるとみている。

年間GDPに占める農産品輸出の割合はわずか0.02%。これに対し、鉄鉱石輸出は7.5%と大きい。

オースビルの最高投資責任者(CIO)は「(鉄鉱石などの)主要バルクコモディティーや金属をオーストラリアから調達する必要性が高まっていることを踏まえると、中国との緊張は幾分緩和する見込みだ」と述べた。

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