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英政府が対米貿易交渉の基本方針公表、首相「強い姿勢で交渉」

ロイター / 2020年3月3日 10時32分

 英政府は2日、米国との自由貿易協定(FTA)交渉の基本方針を公表した。ジョンソン首相は好条件確保に向けて厳しい姿勢で臨む考えを示しており、米英両国の「特別な関係」の意味が試されそうだ。2月13日、ロンドンの首相官邸で撮影(2020年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 2日 ロイター] - 英政府は2日、米国との自由貿易協定(FTA)交渉の基本方針を公表した。ジョンソン首相は好条件確保に向けて厳しい姿勢で臨む考えを示しており、米英両国の「特別な関係」の意味が試されそうだ。

1月末に英国が欧州連合(EU)を離脱した後、ジョンソン氏にとって米国との貿易交渉は、主権回復というアピールに加え、EUとの貿易交渉を優位に進める材料にしようという狙いがある。このため英政府が代表団を派遣してEUとの交渉を始めたタイミングで、対米交渉の基本方針を明らかにした上で、要求を飲まないならEUとは話し合いを打ち切る構えを見せた。

ジョンソン氏は対米交渉について「われわれは最高の交渉担当者をそろえており、当然ながら英国の産業を上向かせるために強い態度で交渉していく。一番大事なのは、この貿易協議には偉大な両国の特異な緊密さが反映されるということだ」と語った。

英政府は、米国とFTAを締結すれば両国間の貿易額が今後15年で153億ポンド(196億1000万ドル)増加し、英経済規模を0.16%拡大させるとの分析結果を紹介した。英国にとって米国はEUに次いで2番目に大きな貿易相手で、2018年は全輸出の19%近く、全輸入の11%を占めた。EU向け輸出とEUからの輸入はそれぞれ全体の45%と35%だった。

英国は自動車メーカーやカメラ、食品・飲料、弁護士などの高度専門サービスといった分野が英米FTAで最も大きな恩恵を受けるとみられる。ジョンソン氏は、他国と新たな貿易協定を結べるのはEU離脱の大きなメリットだと繰り返し主張している。

ただ野党側は、新たな貿易協定で多少国内総生産(GDP)が増えたとしても、EU離脱で受けた経済的打撃をとても穴埋めできないと反論する。自由民主党の国際貿易問題報道担当者サラ・オルニー氏は「トランプ米大統領との間で英国にとって最良の貿易協定が成立したことによるプラスは、われわれが想定するEU離脱がもたらす損失に比べればずっと小さいことは、本日の(政府による)分析で明白だ」と批判した。

また英米関係は最近、中国大手通信機器の華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の第5世代(5G)通信規格事業参入を認めるかどうかや、英政府のデジタル課税導入を巡ってあつれきが生じている。

その上、英政府が対米交渉において国民医療保険制度の国民保険サービス(NHS)を対象としないことや、食品安全基準を変更しない意向を表明したため、両国間の緊張が高まる恐れもある。

米通商代表部(USTR)のジェフ・エマーソン報道官は、現在英国の姿勢を吟味しているところだと説明するとともに「米国が英国との野心的な貿易協定を結ぶ交渉を乗り出す決意は変わらず、そうした協定は両国の利益になる」と述べた。

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