マレーシア中銀、政策金利を2.5%に下げ 新型ウイルスの影響緩和
ロイター / 2020年3月3日 18時36分
<description role="descRole:caption"> 3月3日、マレーシア中央銀行は3日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ2.5%とした。写真は同行。クアラルンプールで昨年7月撮影(2020年 ロイター/Lim Huey Teng) </description>
[クアラルンプール 3日 ロイター] - マレーシア中央銀行は3日、政策金利
マレーシア中銀の金融政策委員会は新型ウイルスの感染拡大が第1・四半期を中心にマレーシア経済を圧迫し、コモディティー関連セクターの低迷も相まって、通年の経済成長にもさらに圧力がかかると指摘した。
同委員会は声明で「利下げは、物価安定を背景に、予想される経済成長を支えるため、より緩和的な金融環境をもたらすことを目的としている」と表明した。
利下げは1月に続き、今年2回目。1月の利下げは予想外で、中銀は経済成長の回復傾向を維持するための予防的措置と説明した。
同国での政局は混乱しており、マハティール首相が辞任し、元副首相のムヒディン氏が首相に就任した。
ロイター調査では、エコノミスト11人中6人が25bpの利下げを予想していた。
<アナリストは追加利下げを予想>
ノムラのエコノミスト、ユーベン・パラクエレス氏は、今回で利下げ打ち止めとはならないと予想。新型ウイルスの影響でサプライチェーンが混乱しているほか、政局の混迷で投資家や企業の心理が揺らぐ可能性が高いとの見方を示した。
同氏は、政策金利がどこまで下がるかを見極める上では、世界的な金融危機の際の対応が参考になると分析。金融危機の際は政策金利が2%まで引き下げられたと指摘した。
同氏は「非常に明確なシグナルが出ていると思う。中銀は追加緩和に前向きだ。景気見通しの悪化が続けば、できる限り早く対応する用意がある」と述べた。
コンティニューアム・エコノミクスのアナリスト、チャル・チャナナ氏は、政局の混乱で一部の改革や財政支援が遅れる可能性があると指摘。
「今回で利下げが打ち止めになるとは言わないが、すでに2回連続で利下げが決まっており、少し慎重になる必要がある」とした上で「中銀にはまだ一定の余裕があるが、もし感染拡大に歯止めがかからなければ、第2・四半期末か第3・四半期初めに追加利下げがあるかもしれない」と述べた。
この日はこれより先に、オーストラリア準備銀行(RBA)も政策金利を25bp引き下げた。
マレーシア中銀が2月に発表した2019年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比3.6%増と、10年ぶりの低い伸びとなった。2019年のGDPは4.3%増。伸び率は政府予測の4.7%を下回り、2016年以降で最低となった。同中銀のノル・シャムシアー総裁は記者会見で、利下げの可能性について「かなりの余地がある。インフレは依然低い」と述べた。
マレーシア政府は前週、新型コロナウイルスによる経済への打撃を抑制するため、200億リンギ(約47億ドル)規模の刺激策を発表した。
*内容を追加しました。
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