アジア株式市場サマリー:引け(3日)
ロイター / 2020年6月3日 19時59分
[3日 ロイター] - 中国株式市場は横ばいで終了。前場に約3カ月ぶり高値まで上昇したが、米中関係緊張への懸念が根強く、後場は伸び悩んだ。
前場は、財新/マークイットのサービス部門購買担当者景気指数(PMI)の上昇を受けて景気回復期待が広がった。しかし、一部市場参加者は、新型コロナウイルスの流行や香港問題を巡る米中の対立に警戒姿勢を崩さなかった。
米国商工会議所がこの日に公表した調査では、香港で事業展開する米企業の大半が中国が計画する「香港国家安全法」の制定を懸念している。
香港株式市場は上昇し、約3週間ぶりの高値付近で引けた。米中関係の悪化が警戒されているものの、各国で新型コロナウイルスの封鎖措置が緩和され、追加の景気対策が導入されるとの期待を背景に、海外市場に連れて値上がりする展開となった。
ハンセン指数<.HSI>終値は329.68ポイント(1.37%)高の2万4325.62。終値は5月21日以来の高値。
ハンセン中国企業株指数(H株指数)<.HSCE>終値は91.28ポイント(0.92%)高の9967.53。
本土の投資家は引き続き香港株に買いを入れている。株式相互取引を通じた本土の投資家の買い越し額はこの日、約22億元(3億0934万ドル)に達した。
ソウル株式市場は大幅続伸して引けた。世界的な経済再建期待が米中摩擦をめぐる警戒感を打ち消した。サムスン電子や現代自動車などの優良銘柄がけん引し、3%近く上昇。3カ月超ぶり高値を付けた。
総合株価指数(KOSPI)は2.87%高。終値としては、新型コロナウイルス感染が世界的に拡大する前だった2月21日以来の高値水準。
3月に付けた安値からは50%近く上昇。各国政府の新型コロナ対応が奏功し、アジア各地の株式相場が上向いている。
イーベスト投資証券のアナリストは、「投資家は来年に向けて景気が徐々に回復するとの考えから買いに走っているようだ」と述べつつ、米大統領選と新型ウイルスの将来動向を考慮する必要があると指摘した。
サムスン電子<005930.KS>とSKハイニックス<000660.KS>はともに6%超急伸。現代自<005380.KS>も好調な世界販売のを背景に5.9%高だった。
海外勢は2041億ウォン(約1億6783万ドル)相当の買い越し。
シドニー株式市場は大幅続伸し、約3カ月ぶり高値で引けた。新型コロナウイルスによるリセッション(景気後退)からの回復期待がリスク選好意欲を刺激。エネルギーや金融銘柄が押し上げた。
S&P/ASX200指数は3日続伸。7年超ぶり安値を付けた3月23日からは約30%上昇している。
金融株指数は3.4%上昇。エネルギー株指数も3%伸び、3カ月近くぶりの高水準を付けた。
1─3月期のオーストラリア経済の成長率はマイナスを記録。4─6月期も一層のマイナスとなる見込みで、豪財務相は同国がすでにリセッション入りしていると認めた。
一方、ウイルス封じ込め策が奏功し、早期に経済活動が再開。豪中銀は景気悪化が想定よりも緩やかになるとの見通しを示し、米中関係をめぐる懸念を相殺した。
ANZリサーチのアナリストらは、「焦点は第2四半期の国内総生産(GDP)と景気回復だ」と指摘。「感染状況に関する比較的良いニュースと早期の制限措置緩和で、落ち込みは当初警戒されたほどにはならないかもしれない」と述べた。
(リフィニティブデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります)
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