米FRB、独自のデジタル通貨について検討中=ブレイナード理事
ロイター / 2020年2月6日 8時32分
米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事(写真左)は5日、FRB独自のデジタル通貨を発行するコストとメリットも含め、デジタル通貨の決済、規制や保護のあり方などを幅広く検討している、と述べた。写真右はパウエルFRB議長。2019年6月、イリノイ州シカゴで撮影(2020年 ロイターAnn Saphir)
[パロアルト(米カリフォルニア州) 5日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は5日、FRB独自のデジタル通貨を発行するコストとメリットも含め、デジタル通貨の決済、規制や保護のあり方などを幅広く検討している、と述べた。
スタンフォード大学経営大学院での講演原稿の中で、同理事は、「決済システムの転換により、デジタル化はより低いコストでより大きな価値と利便性をもたらす可能性がある」との見方を示している。金利や経済見通しについては触れなかった。
同理事はその上で、「リスクもある」と指摘。民間のデジタル決済・通貨の台頭への懸念を示した。理事は「新たなプレーヤーの一部は金融システムの規制の枠組み外にあり、これらが取り扱う新たな通貨は、違法な金融取引、プライバシー、金融の安定性、金融政策の波及などの面において課題となり得る」と述べた。
世界の中央銀行は、デジタル金融技術とビットコインが使う分散型台帳システムをいかに管理するかを協議している。
ブレイナード理事は、FRBは独自の24時間リアルタイムの決済システムを開発中で、同プログラムに寄せられた200通のコメントレターを精査していると説明。
また、「分散型台帳技術とそれを利用したデジタル通貨について、中央銀行テジタル通貨(CBDC)も含め、調査と実験を行っている」とした。
同理事は、米国ではデジタル通貨が決済システムをより安全、より簡素にするかどうか、デジタル通貨が銀行の取り付け騒動など、金融の安定性にリスクをもたらす恐れがあるかどうか、を調査する必要があると指摘。このほか、プライバシーや詐欺の防止、デジタル通貨を法定通貨とみなすかどうかも検討課題だという。
理事は、他の主要国と同様に、米国でも公的セクターは民間セクター、学術界と協力し、デジタル決済・通貨の規制のあり方について話し合う必要があると述べた。
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