トランプ氏容体、医師団は回復強調 専門家からは慎重な見方も
ロイター / 2020年10月5日 9時24分
10月4日、新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領が回復に向かっているとする医師団の説明に対し、治療に関与していない医師らは、同氏の治療にステロイド薬が使用されていることなどを挙げ、病状がより深刻なのではないかと指摘している。写真はワシントン近郊のウォルター・リード軍医療センターから車で外出するトランプ氏(2020年 ロイター/Cheriss May)
[4日 ロイター] - 新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領が回復に向かっているとする医師団の説明に対し、治療に関与していない医師らは、同氏の治療にステロイド薬が使用されていることなどを挙げ、病状がより深刻なのではないかと指摘している。
トランプ氏の主治医らは4日の会見で、同氏にステロイド薬「デキサメタゾン」の投与を始めたと明らかにした。ただ、トランプ氏は回復に向かっており、5日にも退院する可能性があると説明した。
米国感染症学会によると、デキサメタゾンは血中酸素濃度が低下している重症者向けに推奨されている。一方、症状がそれほど重くない患者などには効果が期待できず、かえって症状を悪化させるとの調査結果もある。
レーヘイ・ホスピタル・アンド・メディカル・センター(米マサチューセッツ州)の感染症専門医師、ダニエル・マックイレン氏は「記者会見を聞く限り、トランプ氏の症状は説明されているよりも重い可能性がある」と指摘した。
一方、退院の時期についてジョンズ・ホプキンス大学の感染症専門医師、Amesh Adalja氏は、トランプ氏がもはや酸素吸入を必要とせず、生活がほぼ通常の状態に戻れば、退院は可能だとした上で、「問題は症状が再び悪化するリスクがあるかどうかや、病状がしっかりと回復に向かっているかどうかだ」とコメントした。
新型コロナウイルス感染症にかかった場合、ウイルスそのものが人体に影響を及ぼすほか、体内の免疫システムが過度に反応して健康な細胞まで傷つけ、体にダメージを与えてしまうことがあるという。
カリフォルニア大学デービス校スチュワート・コーエン教授は「1週間ほどは比較的安定していても、その後急速に症状が悪化するケースがあり、容体がどのように変化するかを見極めるのは難しい」と説明する。
ニューヨーク州のノースウェル・ヘルスのデービッド・バティネリ最高医療責任者(CMO)は、トランプ氏の5日退院はあり得るが、完全な回復には時間がかかると指摘し、少なくとも2週間ぐらいは遊説に出られない可能性が高いと語った。
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