日経平均が大幅続落、「政局相場」を帳消し 3週間で3335円下落
ロイター / 2021年10月5日 14時48分
東京株式市場で、日経平均は一時、前日比950円を超える大幅続落となった。中国問題や米債務問題、原油高など海外要因のほか、金融所得課税など岸田新内閣の政策に対する警戒感も出ており、「政局相場」が始まる前の8月27日以来の水準となる2万7460円29銭を付けた。写真は、官邸で会見する岸田首相。2021年10月4日に撮影。(2021年 ロイター/Toru Hanai/Pool via REUTERS)
[東京 5日 ロイター] - 5日の東京株式市場で、日経平均は一時、前日比950円を超える大幅続落となった。中国問題や米債務問題、原油高など海外要因のほか、金融所得課税など岸田新内閣の政策に対する警戒感も出ており、「政局相場」が始まる前の8月27日以来の水準となる2万7460円29銭を付けた。
日経平均は、8月20日の年初来安値2万6954円81銭から9月14日の年初来高値の3万0795円78銭まで17営業日で3840円97銭上昇。そこから3週間の13営業日で3335円49円下げる短期間での乱高下となっている。市場では「年初来安値を割り込めば下値めどが見えなくなる」(国内運用会社)との声が出ている。
中国の中国恒大集団の債務問題や電力不足問題のほか、米国の債務上限や金利上昇、供給不足による企業業績圧迫も警戒されている。また国内では「菅前首相が退陣表明した後に期待感で上昇した分が完全に剥落した」(野村証券ストラテジストの澤田麻希氏)という。
ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表取締役の菊池真氏は「菅義偉前首相が自民党総裁選不出馬を表明して以降、日本の政治が旧来の自民党から変化するとの期待から外国人投資家は見直し買いを進めていたが、変革の軸と期待された河野太郎氏が選挙に破れた上、重要ポストも与えられなかった」と指摘。海外勢の期待は失望に変わったようだと話す。
金融所得課税への警戒感も株式市場では強い。岸田文雄首相は4日、新内閣発足後の会見で、株式の売却益や配当への金融所得課税の強化について、「分配政策の一つ」と述べる一方、「分配政策はそれだけでない」として、賃上げ実施企業への優遇税制や下請けいじめ防止などさまざまな政策手段を列挙した。
しかし、所得増への具体策が見えないとの批判も多く、市場では「所得は増えずに増税だけされるのではないか」(個人投資家)との警戒感が強まっている。
一方、「バーゲンハンティング的な買いも見られるようになってきた」(国内証券の株式トレーダー)との声も出ていた。アイザワ証券の国内情報課長、坂瀬勝義氏はアルゴリズムやHFT(高頻度取引)といった機械取引の売りが一段落すれば相場は落ち着くとの見方を示している。
*内容を追加しました。
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