NY市場サマリー(6日)ドル小幅高、米国債利回り上昇
ロイター / 2022年1月7日 7時13分
[6日 ロイター] -
<為替> ドルが小幅に上昇した。新規失業保険申請件数などの経済指標を受けた。前日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて急速に下げ渋ったが、この日は落ち着きを取り戻した。
CMEグループのFEDウオッチによると、3月会合で0.25%ポイントの利上げが決定される確率は70%以上となっている。
米セントルイス地区連銀のブラード総裁は6日、米連邦準備理事会(FRB)は早ければ3月に利上げする可能性があるとしたほか、必要に応じてインフレに対して一段と積極的な措置を講じる「良い状況」にあると述べた。
経済指標では、米労働省が6日に発表した1月1日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比7000件増の20万7000件と、市場の減少予想(19万7000件)に反し、増加に転じたが、週ごとのボラティリティーを除けば、労働市場はなお引き締まった状況にあることが示された。
米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は6日、米労働市場は「非常に堅調」であるほか、高インフレは「抑圧的な税」として貧困層を中心に負担をかけるため、米連邦準備理事会(FRB)は年内に利上げすべきと述べた。
ドル指数は0.071%高の96.253。アナリストによると96.40がテクニカル面での抵抗水準となっている。同水準を上回れば12月の高値96.91が視野に入るという。
ユーロは0.17%安の1.1294ドル。ドイツ連邦統計庁が6日発表した欧州連合(EU)基準(HICP)の消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比5.7%上昇となったが、伸び率は6カ月ぶりに鈍化した。
日本円は対ドルで0.26%高の115.82円。ポンドは0.16%安の1.3532ドル。ポンドは前日に1.3598ドルと2カ月ぶりの高値を付けていた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.08%安の4万3400.97ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 大半の国債利回りが上昇。FRBが予想よりも早期に利上げやバランスシートの縮小に着手するという観測が強まっている。ただ、7日に発表にされる米雇用統計をにらみ、利回りは午後に入り安定的に推移した。
2年債利回りは一時2020年3月初旬以来の高水準を付けた後、終盤の取引では5ベーシスポイント(bp)上昇の0.8796%。
30年債利回りは11週間ぶりの水準となる2.138%に上昇した後、2.0896%近辺で推移した。
指標10年債利回りは約3bp上昇の1.7299%。一時、昨年3月以来の高水準となる1.7530%を付けた
イールドカーブはフラット化し、5・30年債利回り格差は61.7bp、2・10年債利回り格差は84.8bpとなった。
10年物物価連動国債(TIPS)利回りは一時マイナス0.743%と、昨年6月半ば以来の高水準を付けた。
5日に発表された昨年12月のFOMC議事要旨を受け、今後数年間の米短期金利の期待を示すフェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む、3月会合で0.25%ポイントの利上げが決定される確率は約80%となった。22年に約3回の利上げの可能性も織り込まれている。
アナリストはこれまで、利上げ開始が5月、もしくは6月になる公算が大きいと想定していた。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> S&P総合500種が不安定な値動きとなる中、ほぼ横ばいで取引を終えた。ハイテク株が売られる一方、金融株が相場を支えた。前日はタカ派的な米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて大幅安となっていた。
S&P金融指数は1.6%上昇。中でも銀行株は、米10年債利回りの上昇を受けて利ざやの改善を期待した買いが入り、2.6%高となった。エネルギーなど景気に敏感な他のセクターも上昇した。
メタ・プラットフォームズは2.6%高となり、S&P500やナスダック総合を下支えした。
ダウ工業株30種は0.5%下落。S&P情報技術指数も0.5%安となった。
FOMC議事要旨では「非常にタイト」な労働市場や高インフレへの言及があり、市場は7日発表の米雇用統計を前に神経質になっている。
今週の取引はおおむね、ハイテク関連などグロース(成長)株を売り、高金利環境でアウトパフォームする傾向のあるバリュー(割安)株を物色する流れとなっている。
この日はS&P500バリュー指数が0.1%高 、グロース指数は0.3%安となった。
ネットフリックスは2.5%安。JPモルガンが目標株価を引き下げた。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 米金利高と対ユーロでのドル上昇に圧迫され、3日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比35.90ドル(1.97%)安の1オンス=1789.20ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 有力産油国からの供給減少を懸念した買いが入り、4営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物は、前日清算値(終値に相当)比1.61ドル(2.07%)高の1バレル=79.46ドル。同限月は一時80.24ドルと、80ドル台を回復した。3月物は1.41ドル高の78.88ドル。
中東アジアの旧ソ連構成国カザフスタンでは、反政府デモが拡大し、ロシア主導の軍事同盟が平和維持部隊を派遣するなど全土に混乱が広がっている。カザフは石油輸出国機構(OPEC)非加盟ながら「OPECプラス」のメンバーで、日量160万バレルを生産。現時点で石油生産に影響が及ぶ兆しはないものの、不透明感を警戒した買いが優勢となった。
また、OPEC加盟国のリビアの産油量が送油管のメンテナンスや油田閉鎖によって減少していることや、4日に発表されたOPEC主導による小幅増産方針の決定も引き続き相場の支援材料となった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 115.82/115.85
始値 115.79
高値 115.95
安値 115.64
ユーロ/ドル NY終値 1.1291/1.1295
始値 1.1312
高値 1.1331
安値 1.1287
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*12.00 2.0838%
前営業日終値 95*09.50 2.0870%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*26.00 1.7281%
前営業日終値 97*01.00 1.7030%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*29.75 1.4736%
前営業日終値 99*04.00 1.4330%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.25 0.8736%
前営業日終値 99*27.00 0.8300%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 36236.47 -170.64 -0.47
前営業日終値 36407.11
ナスダック総合 15080.87 -19.31 -0.13
前営業日終値 15100.17
S&P総合500種 4696.05 -4.53 -0.10
前営業日終値 4700.58
COMEX金 2月限 1789.2 ‐35.9
前営業日終値 1825.1
COMEX銀 3月限 2219.0 ‐98.0
前営業日終値 2317.0
北海ブレント 3月限 81.99 +1.19
前営業日終値 80.80
米WTI先物 2月限 79.46 +1.61
前営業日終値 77.85
CRB商品指数 236.7524 +0.0422
前営業日終値 236.7102
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