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ロシアの供給停止でガス価格高騰、EU各国が電力会社支援

ロイター / 2022年9月6日 10時23分

ロシアが主要パイプライン「ノルドストリーム1」を通じた欧州へのガス供給を無期限停止すると表明したことを受け、欧州連合(EU)加盟国は、電力会社の資金難による破綻を防ぎ、電力・ガス料金の高騰から家計を守るため、多額の救済策を相次ぎ打ち出している。写真は、ラトビア・リガにある発電所。2015年6月30日に撮影。(2022年 ロイター/Ints Kalnins)

(見出しを修正しました)

[ロンドン/オスロ 5日 ロイター] - ロシアが主要パイプライン「ノルドストリーム1」を通じた欧州へのガス供給を無期限停止すると表明したことを受け、5日の欧州市場でガス価格が急騰し、株価とユーロは急落した。

欧州連合(EU)加盟国は、電力会社の資金難による破綻を防ぎ、電力・ガス料金の高騰から家計を守るため、多額の救済策を相次ぎ打ち出している。

欧州は、ロシアが欧米による制裁の報復として、エネルギー供給を武器化していると非難。ロシア側は制裁が原因でガス供給に問題が生じていると主張している。

ガス価格は1年前と比べて400%上昇しており、欧州の多数の配電会社は既に経営破綻し、主要な発電会社も経営リスクにさらされる恐れがある。価格が急騰しても消費者に転嫁できるコストが制限されていることが痛手となっており、ヘッジ取引で損失を出している会社もある。

フィンランドは100億ユーロ(100億ドル)、スウェーデンは2500億スウェーデンクローナ(230億ドル)の流動性保証を電力会社に提供することを目指している。

欧州ガス価格の指標となるオランダTTF は一時35%急騰。ユーロは対ドルで20年ぶりの安値に沈み、株価は急落した。

<ドイツが対応急ぐ>

ロシア産ガスへの依存度が高いドイツはガス・電力会社ウニパーの救済に多額の資金を投じる構えで、家計や企業をエネルギー価格高が一因であるインフレの影響から守るために少なくとも650億ユーロの支援を行うと表明している。

ドイツ政府は5日、国内の原発3基のうち2基について、今年末の期限を超えて稼働可能な状態を維持すると発表した。ハーベック経済・気候保護相は声明で、今回の措置は2022年末までに原発から撤退するという政府のこれまでの約束を破るものではないと指摘した。

一方、マクロン仏大統領はショルツ独首相と電話会談後、ロシアのウクライナ侵攻が原因でエネルギー不足が発生した場合、両国が互いに支援し合うと述べた。

記者会見で「ドイツはフランスのガスを必要とし、フランスはドイツを中心に欧州からの電力を必要としている」と述べた。

欧州の肥料メーカーやアルミニウム生産会社など、エネルギー集約型産業は既に生産規模を縮小している。また、他の産業も半導体不足や物流停滞に加え、燃料費の高騰に直面している。

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