EU、英離脱合意骨抜きなら通商協定ないと警告 不透明感高まる

ロイター / 2020年9月8日 4時14分

9月7日、英国のジョンソン首相が欧州連合(EU)との通商協定の交渉期限を10月15日に設定したことを受け、EUは英国が離脱合意の修正を試みれば、通商協定はそもそも実現しないと警告した。写真は2019年4月、ベルリンで(2020年 ロイター/Hannibal Hanschke)

[ロンドン 7日 ロイター] - 英国のジョンソン首相が7日、欧州連合(EU)との通商協定の交渉期限を10月15日に設定したことを受け、EUは英国が離脱合意の修正を試みれば、通商協定はそもそも実現しないと警告した。

ジョンソン首相は、EUとの通商協定を巡る交渉の期限を10月15日に設定し、「それまでに合意できなければ英国とEUの自由貿易協定(FTA)は締結されないものと受け入れ、ともに先に進む必要がある」と表明した。

また、英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は3人の関係筋の話として、英政府は新たな国内法案を策定し、1月に署名された離脱合意の主要な部分を事実上無効化させると報道。9日に公表される予定の同法案の下で、北アイルランド関税問題を含む「離脱合意の主要な部分の法的効力が無効化される」とした。

こうした中、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「国際法の下での義務であり、いかなる将来的なパートナーシップの前提条件でもある離脱合意を、英政府が順守すると信じている」と述べた。

英政府は離脱合意を尊重すると表明。英首相報道官は「国内法の北アイルランドを巡る特定の部分の不明瞭な部分を取り除き、政府が常にコミットメントを達成できるように、限定的で理にかなう措置を取っている」と述べ、将来的な法律上の問題の発生を防止するために明確化しようとしているにすぎないと説明した。

英首相府によると、ジョンソン首相はフランスのマクロン大統領とこの日、月内の協議進展が必要になるとの考えで一致。ただ欧州の外交官の間では、英国は協議決裂の可能性をちらつかせることで、EUが先に譲歩するよう圧力を掛けているとの見方も出ている。EUのバルニエ首席交渉官はフランスのラジオ局に対し、「引き続き懸念している。英国との交渉は難しい」と述べた。

英国とEUの交渉の先行きが再び危ぶまれる事態となったことで、外国為替市場で英ポンド は対ドルと対ユーロで下落。対ドルでは一時約1%安の1ポンド=1.3139ドル、対ユーロでは一時1ユーロ=89.94ペンスと、ともに8月26日以来の安値を更新した。

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