米大統領選、バイデン氏勝利 トランプ氏「まだ終わらない」と声明
ロイター / 2020年11月8日 3時59分
11月7日、エジソン・リサーチや複数の全米テレビネットワークによると、民主党のジョー・バイデン候補が共和党の現職ドナルド・トランプ候補を破り、大統領選を制した。写真は6日、デラウェア州ウィルミントンで演説するバイデン氏(2020年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン 7日 ロイター] - 大接戦の米大統領選は7日、民主党のジョー・バイデン候補が共和党の現職ドナルド・トランプ候補を破って勝利した。複数の全米テレビネットワークが伝えた。
バイデン氏は「米国民が(カマラ・)ハリス副大統領候補と私に寄せてくれた信頼を光栄に思い、謙虚に受け止める。前例のない困難の中、記録的な数の国民が投票をした」とツイッターに投稿。「選挙戦が終わった今、怒りと批判的な物言いは忘れ、1つの国家として団結する時だ。米国が1つになる時だ。癒しの時だ」と書き込んだ。
今回の選挙を根拠なく不正と言い続けてきたトランプ氏は、「偽って勝利したふりをしている」と即座にバイデン氏を非難。「選挙はまだ終わらない」との声明を出した。
米大手メディアの委託で開票情報をまとめているエジソン・リサーチによると、バイデン前副大統領は激戦州の1つであるペンシルべニア州を制し、新たに20人の選挙人を獲得。これで同氏の獲得総数は273となり、勝利に必要な270人を超えた。トランプ氏の獲得数は現在、214人となっている。
3日に投開票された大統領選は、新型コロナウイルス感染予防のために郵便投票が加わり、激戦州の大勢が判明するまでに時間がかかっていた。
バイデン氏の側近らが滞在するホテルでは、大きな歓声が響き渡った。直接の接触を避けるため、握手の代わりに肘を突き合せたり、抱き合う真似をして喜びを分かち合い、側近の1人は「ずっと待っていたかいがあった」と語った。
集計の停止を訴えるなどしていたトランプ氏は、法廷闘争を続ける構えを崩しておらず、大統領選を巡る騒動は少なくとも今後数週間続く可能性がある。ただ、法律の専門家は結果に与える影響は小さいとしている。
バイデン氏は主に女性、アフリカ系アメリカ人、大卒の白人、都市部の有権者に支えられてきた。
来年1月の就任時に78歳となるバイデン氏は、過去最高齢で第46代の大統領となる。上院議員を半世紀、オバマ政権では副大統領を務めた。新型コロナの感染拡大が止まらず、経済が減速し、人種差別と警官の暴力に対する抗議が広がる中、分断が深まる米国の舵を取ることになる。
ともに選挙を戦ったハリス上院議員は、初の女性かつ初の黒人、そして初のアジア系の副大統領となる。
バイデン氏勝利の報を受け、英国やフランス、ドイツ、カナダ、アイルランド、スペインなど各国首脳が続々とメッセージを寄せた。
ジョンソン英首相はバイデン、ハリス両氏に祝辞を伝えた上で、「米国はわれわれ英国の最も重要な同盟国だ。今後、気候変動問題から貿易や防衛まで、様々な重要課題について緊密に協力できることを楽しみにしている」との声明を発表した。
マクロン仏大統領は「バイデン氏とハリス氏に祝福を送る。今、私たちが直面する難題を克服するには、なすべきことが多くある。ともに協力して取り組んでいこう」とした。
ドイツのメルケル首相は「今の時代が抱える大きな困難に立ち向かううえで、大西洋にまたがる私たちの友好関係(の重要性)は何物にも代えがたい」と述べた。
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