英国内の中国秘密警察署は既に閉鎖、違法行為確認されず＝政府

　６月６日、英国のトゥゲンハット安全保障担当相は、国内各地で報告されていた中国の「非公式警察署（秘密警察署）」が既に閉鎖され、調査の結果、これらの拠点で中国政府による違法行為は確認されなかったと明らかにした。ケニア・ナイロビで５月１０日撮影（２０２３年　ロイター/Monicah Mwangi）

[ロンドン ６日 ロイター] - 英国のトゥゲンハット安全保障担当相は６日、国内各地で報告されていた中国の「非公式警察署（秘密警察署）」が既に閉鎖され、調査の結果、これらの拠点で中国政府による違法行為は確認されなかったと明らかにした。

英国は先に、中国の秘密警察署が国内に存在するとされる問題について、中国などが英国内で外国人に対して行ういかなる脅迫行為も容認しがたく、状況を捜査していると発表していた。

一方、中国はロンドンの大使館を通じて声明を出し、英国で秘密警察署を運営しているという非難は「完全な政治的嘘」だと反論した。

トゥゲンハット氏は議会あての書面で、秘密警察署が国内３拠点で運営されているという人権団体の主張を警察が調査したところ、中国政府に代わって違法な活動を行った証拠は確認されていないと説明した。

中国政府は以前、国外には中国人の書類更新やその他のサービスの提供を目的とした、中国の警察官ではなく、地元ボランティアによって運営されている事務所が存在すると発表している。

トゥゲンハット氏は政府が中国大使館に対し、英国における「警察署」に関するいかなる機能も容認できず、運営してはならないと伝えたと説明。中国大使館はその後、こうした拠点は全て永久に閉鎖されたと回答したという。

この説明について、ロンドンの中国大使館の広報担当者は中国語で「いわゆる『海外警察署』は単に存在しない。『海外警察署』が完全な政治的嘘であることは事実が証明している」と反論。「中国政府は英政府に対し、虚偽の情報を流布し、誇大宣伝を行い、中国を中傷することをやめるよう強く求める」と述べた。