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銀行・信金の貸出平残、5月は+2.9% 前年の反動で伸び率急減速

ロイター / 2021年6月8日 9時55分

 6月8日、日銀が発表した5月の貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残は前年比2.9%増の578兆3662億円となった。写真は円紙幣。2011年8月撮影(2021年 ロイター)

[東京 8日 ロイター] - 日銀が8日に発表した5月の貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残は前年比2.9%増の578兆3662億円となった。残高が高い水準を維持する一方で、新型コロナウイルスの感染拡大で企業の借り入れが急速に伸びた前年の反動により、伸び率は4月の4.8%を大きく下回った。縮小幅は過去最大を更新した。

銀行・信金計の伸び率は2020年4月以来の低い伸びとなった。内訳では、都銀等の貸出平残が前月の3.9%増から0.2%増に伸びが大幅に縮小。こちらも過去最大の伸び率縮小となった。地銀・第二地銀は4.6%増から4.0%増に、信金も8.3%増から7.5%増に伸びが鈍化した。

都銀等の伸び率は12年12月以来の低い伸び。昨年、都銀では地銀よりも速いタイミングで残高が増え、伸び方も急ピッチだったため、伸び率の縮小ペースが速くなっている。

日銀の担当者は、前年比の伸び率はさらに縮小が続くとみている。都銀等の貸出平残は6月分で「マイナス転化する可能性も十分にある」と指摘。現時点で新たな資金需要はあまり目立っていないという。

5月の預金平残は都銀・地銀・第二地銀の3業態計で8.0%増の833兆4935億円となり、残高が再び過去最高を更新した。

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