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アングル:米ツイッター、誤情報には「目立つ色」で警告も

ロイター / 2020年10月10日 8時7分

10月6日、米ツイッターのサイトの健全性を統括するヨエル・ロス氏がロイターのインタビューに応じ、投稿された偽情報に付ける警告ラベルをどのような体裁にし、どう機能させるか同社が再検討していると明かした。写真はツイッターのロゴ。ロサンゼルスで2019年7月撮影(2020年 ロイター/Mike Blake)

[6日 ロイター] - 米ツイッター のサイトの健全性を統括するヨエル・ロス氏がロイターのインタビューに応じ、投稿された偽情報に付ける警告ラベルをどのような体裁にし、どう機能させるか同社が再検討していると明かした。これまでよりも目につきやすくし、対応する時間も短縮しようとしている。

ロス氏によると、ツイッターは小さな青い表示をもっと「あからさまで直接的な」ものに変えることを検討している。ただ、何らの変更の準備が11月3日の米大統領選までに整うかどうかは明らかにしなかった。当日までの期間は、虚偽や誤解させるコンテンツがネット上にあふれ得ると専門家は指摘している。

表示の色については、もっと目につきやすいマゼンタ(赤紫)色をテストしたり、継続的に誤情報を投稿するユーザーにフラグを立てるかどうかを詰めたりしているという。

ロス氏は「あるアカウントが違反を繰り返していたり、これまで何度も警告ラベルを付けられたりしていた場合、そのことが分かるようになると役立つというフィードバックがあった」と指摘した。

ツイッターはコンテンツの操作やねつ造の問題についてフィードバックの公募する期間を設けた後に、今年の早い時期に警告ラベル表示を開始。その後、ラベルの表示対象を新型コロナに広げ、さらに選挙や抗議活動についての誤解を招く情報にも拡大してきた。

ツイッターによると今のところ警告ラベルを付けた投稿は数千件あるが、警告表示を巡って最も関心を呼んでいるのはトランプ大統領による投稿への警告事案という。9月には、投票結果の正当性が証明される前に選挙勝利を主張する投稿には警告を付けるか、削除するとの方針を表明している。

ロス氏によると、誤情報は否定されるとかえって読者が信じやすくなるという、いわゆる「バックファイア効果」の懸念がこの調査を実施したことで低下し、警告ラベルをいかにあからさまにするかという見直しの機運につながったという。ロス氏は、ラベルが付くと逆に「名誉のバッジ」のようになり、かえってユーザーの注目を集めてしまうリスクも認める。

警告ラベル表示を巡っては、ようやくツイッターとしての介入に至ったと評価する専門家もいるが、事例への対応の執行が遅過ぎるとの批判もある。

ツイッターのラベル表示を分析するワシントン大のケート・スターバード准教授は「コンテンツは大抵拡散が極めて速い。フォロワーが多い場合、20分や30分放置すればたいがいはもう拡散してしまっている」と話す。

スターバード氏によると、投稿から警告ラベル表示までのツイッターの対応時間は短くなっている。5月に初めてトランプ氏による郵便投票の投稿に警告を付けた際は約8時間かかったが、9月の同氏の投稿2件では2時間以内に付いたように見えた。10月6日の新型コロナ感染を巡る投稿では、約3時間後に投稿に覆いをかけてリツイートできなくした。

ツイッターのロス氏によると、誤情報と表示した投稿にはすべて、画面上で読みにくい仕掛けをしたり、検索などでの推奨から外したりもしている。

しかし、8月にトランプ氏の投稿への対応を巡り、リツイートを阻むツイッターの努力は効果も上げているが、措置は「小さ過ぎるし遅過ぎる」との批判が研究者グループから出た。ロス氏によると、今回の見直しでは同社の判断でリツイート数なども考慮に入れている一方、ツイートの拡散を予測する方法を研究し、大統領選挙絡みで想定される事象に早く対応できるよう訓練もしている。

一方、複数の研究者はツイッターの警告表示について、どのようにいつ対応したのかが分かりにくいと実効性を評価しにくいとしている。ツイッターはラベルをいつ付けたかをリスト化して公表を続けることはしていないし、ラベルが拡散にどう影響したかやユーザーがラベルにどう反応したかを外部の人間が評価できるようなデータ共有化もしていない。

誤情報に反対する非営利団体ファースト・ドラフトのトミー・シェーン氏は「ツイッターは自分たちがどんな仮説をどう試しているか、どんな結果が出ているかを説明し、透明性を担保する必要がある」と述べた。

<トランプ氏の投稿>

ツイッターは5月以降、同社規則に抵触したとしてトランプ氏の投稿10本にラベルを付けるか、グレーの覆いをかぶせる警告をしている。

ロス氏によると、同社はラベル表示については選挙関連の当局者を含めた提携先と協議している。ただ、同社のやり方は複数の情報からのツイートで成るページにリンクを張るもので、フェイスブックのようにロイターなどの第三者を雇ってコンテンツが真か偽かを点検させる仕組みにならうものではない。これは、内容に異論があるときは読めないようにする方が簡単かもしれないとの考え方に基づく。

トランプ氏側のゼーガー広報担当者は「シリコンバレーのマフィア連中」が恣意的なルールを作っている上、それをどのアカウントにも公平に適用してはいないと批判する声明を出している。

ロス氏はツイッターがトランプ氏や民主党の大統領候補バイデン前副大統領のような知名度の高いユーザーをどのようにモニターしているのかについては、「個々のアカウントや個々のアカウント保有者に特定の焦点を当てることはしていない」とだけ述べた。

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