バイデン氏、米大統領に選出ならドイツ駐留米軍削減見直しへ
ロイター / 2020年7月10日 10時20分
7月9日、11月の米大統領選の民主党候補指名を確定させたバイデン前米副大統領(写真)は、大統領に選ばれた場合は現職のトランプ大統領が決定したドイツ駐留米軍削減計画を見直す見通し。バイデン氏の側近がロイターに語った。6月30日、デラウェア州ウィルミントンで撮影(2020年 ロイター/Kevin Lamarque)
[9日 ロイター] - 11月の米大統領選の民主党候補指名を確定させたバイデン前米副大統領は、大統領に選ばれた場合は現職のトランプ大統領が決定したドイツ駐留米軍削減計画を見直す見通し。バイデン氏の側近がロイターに語った。
バイデン氏の外交政策のシニアアドバイザーを務めるアントニー・ブリンケン氏は8日、ロイターのインタビューで「われわれは(ドイツ駐留米軍の件も含め)トランプ大統領が下した決断すべてを見直す」と語った。トランプ氏が駐留米軍削減の決定にあたり、事前にドイツに相談しないと決めていたことに触れ、まず決定方法について見直すとした。
トランプ氏は6月、ドイツに駐留している米軍の規模を約9500人削減し、2万5000人とすると表明。ドイツは北大西洋条約機構(NATO)加盟国に求められる防衛費を拠出しておらず、防衛費を増加させない限り、米国は駐独米軍の規模を縮小させると述べた。
これに対し、民主党だけでなく、対ロシア・中国で米独の連携が必要と考える共和党議員からも反対の声が上がっていた。
ブリンケン氏は、バイデン氏が大統領になれば、世界の安全保障に対する中国の脅威に対処する上でNATOの活用を模索すると指摘。
トランプ政権は中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]に制裁を科しており、これを受けて欧州諸国は国内通信網の構築にあたって同社への対応を見直しつつある。
ブリンケン氏は中国への対応を巡り、米国が欧州の同盟国を批判するのではなく、協力する必要性を強調した。
世論調査でトランプ氏をリードするバイデン氏は、歴代政権よりも強硬策に転じたトランプ政権の対欧州連合(EU)政策をどう見直すかが注目されている。
ホワイトハウスや国務省での経歴も持つブリンケン氏は長年、バイデン氏に外交政策を助言してきた。
バイデン氏はトランプ氏の同盟国の扱い方を厳しく批判しており、NATOの強化を公約に掲げている。
バイデン氏の別のアドバイザーもロイターのインタビューで、欧州同盟国との関係強化が影響力を増す中国に対抗する上で重要になる可能性を指摘した。
オバマ政権で国家安全保障分野の当局者だったジュリアン・スミス氏は、中国の国有企業が近年にギリシャのピレウス港、オランダのロッテルダム港、ベルギーのアントワープ港など欧州の一部の主要港への出資を増やしていることは欧州の安全保障上の「脆弱性」を生んでいる可能性があると指摘。「われわれは中国が欧米の安全保障にもたらす課題について欧州の同盟国と意見交換したい」と述べた.
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