機械受注7月、予測上回る伸びも回復は緩慢 受注額水準低く
ロイター / 2020年9月10日 10時58分
9月10日、内閣府が10日に発表した7月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比6.3%増となった。都内で2010年8月撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 10日 ロイター] - 内閣府が10日に発表した7月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比6.3%増となった。ロイターの事前予測調査では前月比1.9%増と予想されており、結果はこれを上回った。ただ受注額は非常に低く、コロナ前の水準には程遠い。冬場の感染拡大への懸念もあり、設備投資の本格回復には慎重な見方も根強い。
製造業は同5.0%増、非製造業(除く船舶・電力)は3.4%増と共に増加した。
製造業でははん用・生産用機械、自動車・部品など2か月連続の増加を示す業種も目立ち、非製造業では運輸や金融・保険、建設業が増加。
国内民需以外では、外需が13.8%増と5カ月ぶりの増加となっている。
「受注底打ちの兆しが見られる」(バークレイズ証券・前田和馬氏)との見方も出てきた。
もっとも、船舶・電力を除いた民需の受注額水準は7513億円とまだ低く、コロナ前の8000億円台への回復には距離がある。前年比では 16.2%減2桁減となっている。
内閣府が先月公表している7-9月期の受注見通しも前期比減少の見通しとなっている。
内閣府は、機械受注の判断を、前月の「減少している」から「減少傾向にある」とやや修正した。
農林中金総合研究所・主席研究員の南武志氏は「世界経済は一部では感染再拡大も散見され、制限を再強化する動きや自粛ムードが強まるなど、順調に回復しているとは言い難い。さらに、冬場には感染再拡大が本格化するリスクも意識されており、企業業績は低調な状況が続く可能性が高い」とみており、年度下期にかけても設備投資は低調に推移すると予想している。
*情報を追加しました。
*内閣府の発表資料は以下のURLでご覧になれます。https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/menu_juchu.html
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(中川泉 編集:内田慎一 グラフ作成:田中志保)
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