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米、フェイスブックを独禁法違反で提訴 インスタなどの売却要求

ロイター / 2020年12月10日 12時50分

米連邦取引委員会(FTC)と全米のほぼ全ての州が9日、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで、米交流サイト大手フェイスブック(FB)を提訴した。昨年12月撮影(2020年 ロイター/Johanna Geron)

[ワシントン 9日 ロイター] - 米連邦取引委員会(FTC)と全米のほぼ全ての州が9日、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで、米交流サイト大手フェイスブック(FB)を提訴した。市場の独占が脅かされるのを恐れて写真共有アプリ「インスタグラム」や通信アプリ「ワッツアップ」などを買収する戦略を取ってきたと主張し、両事業の売却を求めた。

大手IT企業に対する訴訟としては、10月に司法省がアルファベット傘下グーグルを提訴したのに続いて2件目となる。FTCと、全米46州および首都ワシントンと米領グアムの連合が別々に訴訟を起こした。

大手IT企業にはその事業慣行を巡り、共和、民主両党から厳しい目が注がれており、一部の民主党議員はグーグルとフェイスブックの解体を訴えている。

訴状は、FBによる2012年のインスタグラム買収と14年のワッツアップ買収に焦点を当て、買収で競合相手を取り込んできたと指摘し、両事業の売却を求めた。ただ、どちらの案件も何年も前にFTCの承認を得ているため、法廷闘争が長期化する可能性が高い。

ニューヨーク州のジェームズ司法長官は「過去約10年間、FBはその支配力と独占力を利用して小さなライバル企業を潰し、競争をもみ消し、全てのユーザーを犠牲にしてきた」と述べた。

市場での独占的地位が脅かされる前にライバルを買収したと強調した。

FBの法務顧問、ジェニファー・ニューステッド氏は反トラスト法は「成功している企業」を罰するためにあるわけではないと反論。ワッツアップとインスタグラムはフェイスブックが成長のために多額の投資を行った後、事業として成功したと述べた。

「政府は今になってやり直しを求めている。米企業にとっては、事業売却が確定することは決してないという恐ろしい警告になる」と強調した。

マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は社内向けサイトへの投稿で社員に対し、訴訟による「個別チームまたは職務へのいかなる影響」も見込んでいないと述べた。訴訟は「全て終結するまでに何年もかかるかもしれないプロセスの1段階」だとした。

ロイターが確認したコピーによると、ザッカーバーグ氏のこの投稿や、ニューステッド氏などが共有した訴訟に関する投稿はコメントができないようになっている。ニューステッド氏はまた、社員に訴訟について投稿を控えるよう通知した。

反トラスト法の専門家の一部は今回の訴訟について、フェイスブックの資料から抜き取られたザッカーバーグCEOによる過去の発言が不利に働く可能性があると指摘。例えば、2008年の電子メールで同CEOは「競うよりも買収する方が得策」と述べている。

一方、ブルーム・ストラテジック・カウンセルのセス・ブルーム氏はFTCの訴状は司法省によるグーグル提訴よりも「かなり弱い」内容だと指摘。「6年あるいは8年前の買収を問題にしており、何年も前に買収した事業の売却を裁判所が命じるのは難しいだろう」とした。

シノバス・トラストのポートフォリオ・マネジャー、ダニエル・モーガン氏は「FTCあるいは司法省がフェイスブック解体に成功するかどうかは分からないが、FBが自らを弁護するのに伴い裁判が長期化すると想定している」と影響を懸念した。

独禁法を巡る訴訟規模としては、米マイクロソフトを相手取った1998年の訴訟以来の大きさとなる。

*内容を追加しました。

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