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火力発電所閉鎖の努力、気候変動対策で極めて重要=米財務省顧問

ロイター / 2021年9月10日 15時38分

 9月9日、米財務省のジョン・モートン顧問(気候変動担当)はロイターとのインタビューで、石炭火力発電所の閉鎖を加速する計画はリスクも伴うものの、気候変動対策の「極めて重要な部分」だと述べた。フロリダ州の石炭火力発電所、3月撮影(2021年 ロイター/Dane Rhys)

[ワシントン 9日 ロイター] - 米財務省のジョン・モートン顧問(気候変動担当)は9日、ロイターとのインタビューで、石炭火力発電所の閉鎖を加速する計画はリスクも伴うものの、気候変動対策の「極めて重要な部分」だと述べた。

モートン氏は、アジア開発銀行(ADB)が英保険プルーデンシャルや米資産運用ブラックロック・リアル・アセッツと組んで石炭火力発電所を買い上げ操業を早期に終了させる取り組みについて、困難は大きいと指摘。しかし、グリーンエネルギーのプロジェクトへの直接投資を促し、排出量の多いエネルギー源への融資を止めるには必要な枠組みだと評価した。

同氏は、石炭火力発電所を早期に閉鎖しなければパリ協定の排出量削減目標は達成できないと強調。「何かを閉鎖するのに融資する」というのはほとんどの開発金融機関や政府の「DNA」ではないはずだが、気候変動問題の解決には絶対的に不可欠な部分だと指摘した。

アジア開銀チームの取り組みでは、石炭火力発電所の購入から始め、10-15年かけて段階的に停止するための実現性調査を実施する。2022年に最初の購入のための融資を行うことを目標にしている。

モートン氏によると、特に再生エネルギーが低コストのエネルギー源になっていく中では、資産買い取りへの支払いが過大になることや、民間部門が自分たちで手掛けるべき移行作業で、公的部門の資金が民間部門を追い出すのを避けるなど、計画の実効的な達成に向けて詰めなければいけない細部はまだ多い。しかし、5年かけて石炭火力発電所の閉鎖を独創的な融資方法で進めることができれば、コストも多くの場合は比較的安く、世界経済への大きな貢献になると強調した。

また、米財務省は、気候変動対策や温室効果ガスの排出削減目標の達成に必要な資本を最大限動員する上で、自然保護債務スワップが魅力的な手段になるとの認識を示した。

自然保護債務スワップは規模が小さく、複雑になる可能性はあるが、気候変動対策で有効な手段になり得るとしている。

イエレン長官は7月、公的資金を元手に最大限の資本を確保する具体的なプランについて協議するため、世銀など国際開発金融機関との初会合を主催した。

モートン氏は、10月中旬の世銀・国際通貨基金(IMF)年次総会を控え、草案作りが順調に進んでいると発言。

「最低限の公的資金で最大限の効果を引き出すことが狙いだ。気候変動に対応するため、希少な公的資金を責任ある形で活用し、可能な限り民間セクターが投資できる体制を整える」と述べた。

同氏は、公的資金1ドル当たり、二酸化炭素をどの程度減らせるのかという観点で、気候変動対策を評価する必要があると指摘。

「自然保護債務スワップは、その点で非常に魅力的だ。財務省内にも自然保護債務スワップのプログラムがある。気候変動対策を考えるに当たり、検討するツールの一つになることは確実だ」と述べた。

同氏によると、財務省はイエレン長官が提出を求めている報告書について協議するため、定期的に国際開発金融機関と協議。7月の初会合以降、作業は順調に進んでいるという。イエレン長官は世銀・IMF年次総会に合わせて、10月に再び会合を主催する。

財務省は「イエレン長官は国際開発金融機関に対し、特に民間部門の活動を通じた気候変動への適応をさらに重視していくことを奨励した。また、野心的な排出削減措置の実施と重要な生態系の保護で途上国を支援することを奨励した」と表明した。

7月の会合には、世銀グループ、アフリカ開発銀行、アジア開発銀行、欧州復興開発銀行、米州開発銀行が参加した。

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