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安川電、21年2月通期予想を見送り コロナで設備投資動向が不透明

ロイター / 2020年4月10日 18時4分

[東京 10日 ロイター] - 安川電機<6506.T>は10日、2021年2月期の通期業績予想の公表を見送った。新型コロナウイルスの感染拡大による顧客の設備投資の動向が不透明で、通期業績を見通すことが困難と判断した。

一方、第1四半期(3―5月期)業績予想を公表し、営業利益予想を40億円とした。中国のサプライチェーンの正常化に加え、半導体・電子部品市場を中心にACサーボの受注回復が見られているとしている。新型コロナの影響で世界の顧客の工場稼働の悪化リスクがあるとし「現在把握できる情報に基づく予想」(安川電機)としている。売上収益予想は925億円、当期利益予想は30億円。

20年2月期の有価証券報告書から国際会計基準(IFRS)を任意適用するため、前年同期との比較は非開示。ただ、IFRSへの変更による影響は2億円のプラスとしており、これを考慮して日本基準に引き直して比較すると、営業利益予想は前年同期比で約47%減となる。日本基準での前年同期の実績は、売上高1074億円、営業利益72億円、当期利益47億円だった。

営業利益予想の変動要因を分解すると、売り上げ減の影響が36億円、為替影響が9億円、操業度の悪化による影響が14億円、それぞれマイナスに作用する。25億円の経費減も見込むがカバーしきれない。分野別には、モーションコントロールが半導体関連を中心に受注が堅調といい、営業利益52億円を確保する見通し。一方、ロボットは操業度の悪化で8億円の営業赤字を見込む。

平均為替レートは1ドル107円、1ユーロ118円を想定する。

20年2月期の連結営業利益は前年比55.1%減の223億円だった。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均値は219億円だった。

米中貿易摩擦の長期化による影響などで世界的に設備投資に対する慎重姿勢が強まった。年後半にかけては米州や韓国などアジアの一部で半導体関連需要の回復が見え始めたが、期末にかけて新型コロナの影響があった。

堅調だった前年同期に対し、モーションコントロール事業やロボット事業の売上高が減少。営業利益は、売上減少や在庫調整の影響などで操業度が悪化し、減少した。

*内容を追加して再送します。

(平田紀之 編集:内田慎一)

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