抗生物質が効かない!「最も危険な」細菌12種 ピロリ菌、淋病、高齢者の肺炎など身近にリスク

夕刊フジ / 2017年3月11日 17時12分

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最も危険な12種類の細菌(夕刊フジ)

 抗生物質(抗菌薬)が効かないとして、世界保健機関(WHO)が12種類の細菌のリストを公表し、警告を発している。専門家は「衛生状態がよくない途上国だけでなく、日本でも被害を生みかねない細菌も含まれている」と指摘している。

 WHOが「菌の抗生物質への抵抗は強くなっており、治療の手段は尽きつつある」として新たに発表した12種類の細菌は、抗菌薬開発の緊急度に応じて「重大」「高度」「中位」に分類されている。

 「重大」に分類される3種について、山野医療専門学校副校長で医学博士の中原英臣氏は「衛生状態が悪い途上国では脅威となりうるが、日本で心配することはないだろう」と話す。ただ、「高度」「中位」のなかには身近な感染リスクがある細菌もあるという。

 「VREやMRSAは、病院内での『院内感染』の原因になる。弱っている入院患者が感染すると発熱や肺炎などを発症することがある。また、胃がんや胃潰瘍の原因となるピロリ菌は、現在は抗生物質で除菌が行われている。しかし、細菌に耐性がついてしまうと、この治療も難しくなる」(中原氏)

 ここ数年、年間1万人前後の感染症報告数がある性病に「淋病(りんびょう)」があるが、これについてもセファロスボリン耐性・フルオロキノロン耐性淋菌という細菌が出現し、人類にとって最も危険な病原菌のひとつに加えられている。

 「高齢者が気をつけるべき病気」と中原氏が警鐘を鳴らすのが、肺炎だ。「『65歳以上の肺炎予防。』といった広告で、高齢者に対しワクチンの定期接種が呼びかけられている。一度なってしまえば抗生物質で治すしかないが、ペニシリン非感受性肺炎球菌という耐性を持つ細菌が生まれている」(中原氏)

 中原氏は「細菌も生き残るために変化を繰り返す。抗生物質が開発された1950年代から、耐性を持つ細菌が生まれるたび、より効き目の強い抗生物質が作られてきた。今後もいたちごっこは続くだろう」と分析する。

 新薬の開発が急がれている。

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