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米政府・議会、新型コロナで経済対策を協議 給与税軽減が柱

ロイター / 2020年3月11日 15時36分

 3月10日、米国のトランプ政権と議会指導部は、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、経済対策を議論した。ホワイトハウスでの記者会見(2020年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン 10日 ロイター] - 米国のトランプ政権と議会指導部は10日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、経済対策を議論した。

ペンス副大統領は会見で「議会から良い反応が出ている。法制化に向けて共和・民主指導部と作業を進めていく」と述べた。

政権が提案している経済対策の柱は給与税の軽減だが、規模と期間は不透明。

ホワイトハウス当局者によると、政権は小規模事業者や有給の病気休暇がない労働者を支援するため、行政措置を導入する可能性もある。

米国株式市場はこの日、政府による景気対策への期待から急反発した。

全米の4分の3近くの州で新型ウイルスの感染が確認されている。ジョン・ホプキンス大学の集計によると、感染者数は1025人、死者は28人。

民主党のペロシ下院議長と経済対策について協議したムニューシン財務長官は「どうすれば速やかに対策をまとめられるか、超党派で作業を進めていく。(新型ウイルスで)特に影響を受けている国民と、影響を受けている中小企業を支援する」と述べた。

ペロシ議長は「共通点を見出すための」会合だったと指摘。支援対象をごく一部の人に限定する対策は受け入れられないと述べた。

経済対策は上下両院での可決が必要になる。

上院共和党の関係者は、トランプ政権が提案した給与税の軽減について、共和党の上院議員の間で「まちまちな見方」が出ていると指摘した。

<大統領は平静を呼び掛け>

一方、トランプ大統領は10日、ウイルスの流行はいずれ終息すると強調、国民に冷静な対応を求めた。

大統領は共和党上院議員らとの会合後、「(新型ウイルスの流行は)解消される。落ち着いてほしい」と述べた。「海運、クルーズ業界やクルーズ船、航空業界を守りたい」とも語った。

民主党は、トランプ大統領が新型ウイルスによる国民の健康や経済への影響よりも、市場の懸念緩和を重視していると批判。

民主党上院トップのシューマー院内総務は「トランプ政権は企業より国民を優先すべきだ。国民とその経済的安定を守るために適切な措置を講じるべきだ」と述べた。

民主党は有給病気休暇や、ウイルス検査の無料化及び拡充などを求めている。

共和党上院議員らは、経済対策の一環として検討されている給与税減税は3000億ドル規模に上る可能性があるとし、ホワイトハウスと下院民主党がこうした対策について合意できることを期待していると述べた。

大統領と共和党上院議員の会合に出席した関係者によると、トランプ氏は給与税減税を巡り、年末までの時限措置か恒久化の2案を検討中と明らかにしたという。

<影響広がる>

全米の感染者が増えるなか、国連はニューヨークの本部への一般市民の入場を当面、禁止すると発表。

大統領選の民主党候補指名を目指すバイデン前副大統領とサンダース上院議員はともに、保健当局の忠告に従い、オハイオ州で10日夜に予定していた支持者集会を中止した。候補指名争いはこの日、6州で予備選と党員集会が行われた。

民主党全国委員会はまた、15日のアリゾナ州での討論会を無観客で実施すると発表した。

*内容を追加します。

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