英中銀、銀行に資本バッファー利用を容認 新型コロナ対策で
ロイター / 2020年3月11日 23時56分
イングランド銀行(英中央銀行)は11日、新型コロナウイルス流行を受けて各銀行は貸し出しを維持するため資本バッファーの一部を利用することができると発表した。ロンドンで2017年11月撮影(2020年 ロイター/TOBY MELVILLE)
[ロンドン 11日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は11日、新型コロナウイルス流行を受けて各銀行は貸し出しを維持するため資本バッファーの一部を利用することができるとしたものの、ボーナスや配当の引き上げにその資金を利用してはならないと警告した。
英中銀の金融行政委員会(FPC)は、銀行向けに「カウンターシクリカル資本バッファー(CCYB)」の比率をゼロ%に引き下げると表明。2020年末までにこの比率を1%から2%に引き上げるとした昨年の決定に反しての引き下げとなった。
中銀によると、バッファーの開放などで企業向けの貸し出しは最大1900億ポンド後押しされる見込み。これは2019年の企業向け純貸出の13倍に相当する。
中銀は「FPCは少なくとも12カ月はゼロ%を維持すると予想しているため、その後に続く引き上げは早くても2022年3月まで実施されないことになる」との声明文を発表した。
カーニー総裁は「これは大規模なパッケージだ」と述べた。
銀行を監督する中銀の健全性監督機構(PRA)は、CCYBの開放を受けて各行が配当やボーナスを増やすことはないと想定していると表明。今回の措置は「各行が実体経済を引き続き支援できるようにし、システム横断的な危機の増幅を回避する」という、これらバッファーの包括的な目的に合致したものだと説明した。
PRAはまた、保険各社からも新たな資本ルールの適用緩和に関する申請を受け付けるとした。
これを受け、英金融株は上昇。HSBC
ロイズは声明で「今回の措置により、新型コロナ禍の中でも英銀行が顧客支援を継続する能力はさらに強化される」と歓迎した。
*内容を追加しました。
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