米消費者物価、2月は前月比0.1%上昇 新型コロナが今後重しに
ロイター / 2020年3月12日 1時59分
[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日発表した2月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は0.1%上昇した。市場予想は横ばいだった。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に一部のモノやサービスの需要が減っており、供給網の混乱による供給不足で価格が上がる中でも今後はCPIが低下する可能性が高い。
1月のCPIも0.1%上昇だった。
2月の前年同月比は2.3%上昇。市場予想は2.2%上昇だった。1月は2.5%上昇と、18年10月以来の大幅な伸びだった。
基調的物価も安定的に伸びたが、米連邦準備理事会(FRB)が翌週の連邦公開市場委員会(FOMC)で再び利下げするとの金融市場の見方は変わらないとみられる。
新型ウイルスの感染が急速に拡大する中、米国や世界経済が景気後退入りするとの懸念が高まり、FRBは3日、50ベーシスポイント(bp)の緊急利下げに踏み切った。
新型ウイルスによる米国での死者は31人。感染者数は1000人を超えた。世界全体の死亡者は4000人を超え、感染者数は12万人超となった。
ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スイート氏は「供給と需給へのショックが重なったことは問題で、FRBと財政政策による対応が求められる」とし、FRBが近く金利をゼロまで引き下げると予想していると述べた。
新型ウイルスが発生した中国は、多くの米工場の調達先だ。中国政府が感染拡大を抑えるために春節(旧正月)休暇を延長した後、中国では一部の工場が稼働を再開したが、稼働率は低い。
供給網の寸断に伴い処方箋薬など一部のモノが不足する見通しで、価格が上がるとみられる。ただ世界経済の景気後退入りへの不安や、ロシアとサウジアラビアの価格競争を巡る懸念で原油価格は急落している。
さらに移動制限や接触機会の自粛で旅行や宿泊、娯楽、外食などのサービスの需要が急減するとみられる。新型ウイルスの影響は3月のCPIに表れる可能性が高い。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は0.2%上昇だった。1月も同じ伸び率だった。四捨五入していな2月の数値は0.2229%上昇だった。2月は衣料や日用品、ヘルスケア、中古車、教育が値を上げた。航空券や娯楽は値下がりした。
2月の前年同月比は2.4%上昇。前月までは4カ月連続で2.3%上昇していた。
FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は1月に前年同月比1.6%上昇した。19年は1月から12月まで、目標の2%を下回った。2月のPCEは今月下旬に発表される。
CPIの前月比の内訳は、ガソリンが3.4%下落。1月は1.6%下落していた。食品は0.4%上昇。1月は0.2%上昇していた。家庭用食品は0.5%上昇と、14年5月以来の大幅な伸びだった。
帰属家賃は0.2%上昇。1月は0.3%上昇していた。住居費は0.3%上昇。1月は0.4%上昇していた。
医療費は0.1%上昇。1月は0.2%上昇していた。衣料は0.4%上昇。1月は0.7%上昇だった。新車は0.1%上昇。1月は横ばいだった。中古車は0.4%上昇と、1月の1.2%下落から持ち直した。
ネーションワイドのチーフエコノミスト、デービッド・バーソン氏は「原油価格競争が激化し、新型コロナで年央に景気が下向けば、今年は当面インフレ率がマイナスに転じる可能性が大いにあり、今年全体もおそらくマイナスになる」と述べた。
*内容を追加しました。
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