GoToトラベル年内の再開望む、入国制限も解除を=ANAHD社長
ロイター / 2021年11月11日 18時21分
11月11日、ANAホールディングス(ANAHD)の片野坂真哉社長は、ロイターのインタビューに応じ、政府の旅行需要喚起策「GoToトラベル」の再開について、感染者数の少ない今のうちに実施すべきで「12月に再開してほしい」と語った(2021年 ロイター/Androniki Christodoulou)Christodoulou
[東京 11日 ロイター] - ANAホールディングス(ANAHD)の片野坂真哉社長は11日、ロイターのインタビューに応じ、政府の旅行需要喚起策「GoToトラベル」の再開について、感染者数の少ない今のうちに実施すべきで「12月に再開してほしい」と語った。
入国者の待機期間や入国者数の上限などの制限解除についても政府に「引き続き要請していく」と述べた。
GoToトラベルについては、新型コロナウイルスの重症化を防ぐ飲み薬が年内に実用化されるかを見極める必要があるとして政府が来年1月以降に再開する方針を固めたと報じられた。
片野坂社長は「民間が自力で稼げるときに、稼いだほうがよい」と主張。このままでは「感染第6波が来た時に耐えられない」と指摘、「『息継ぎ』すれば、また『潜れる』」として、今のうちに観光需要を少しでも取り込むことで第6波が来ても「耐える力が生まれる」と語った。
政府は今月8日から、ビジネス目的や留学生らなどの入国者の待機期間を10日から3日に短縮し、ワクチン接種などを条件に入国制限を一部緩和した。片野坂社長は、その効果は国際線の旅客需要にまだ出ておらず、国内線旅客需要の回復に比べると「国際線はまだまだ」との認識を示した。
入国制限1日3500人などの制約も取り払わないと「需要は増えていかない」とみて政府に制限解除を求めるという。
主力航空事業の全日本空輸は、12月の国内線運航率をコロナ前の事業計画に比べ86%に引き上げ、繁忙期の年末年始(12月24日─1月4日)は同98%を予定するなどコロナ前水準の運航規模とすることを9日発表した。片野坂社長によると、予約数は「日が経つにつれて増えていっている」。
片野坂社長はまた、2023年度の新卒採用の可否と採用する場合の人数規模を11月中に決めるほか、好調な貨物事業や強化しているIT・デジタル事業の人材の中途採用を「近々募集する」とも語った。
同社はコロナ前の数年は、グループ全体で毎年3000人前後の新卒を採用してきたが、10月下旬の決算では、採用抑制や自然減などを通じて22年度末に20年度末比で約5000人減らす計画を表明。全日空の従業員は配置転換なども活用して25年度末に同約9000人減の約2万9000人とする方針を示した。
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