米上院商業委、780億ドルの陸上交通インフラ整備法案を公表
ロイター / 2021年6月11日 10時52分
6月11日 米上院商業科学運輸委員会は向こう5年で陸上交通インフラ整備に780億ドルを拠出する法案を公表した。写真は2017年7月、ニューヨーク市のペンシルバニア駅で撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)
[ワシントン 10日 ロイター] - 米上院商業科学運輸委員会は10日、向こう5年で陸上交通インフラ整備に780億ドルを拠出する法案を公表した。全米鉄道旅客公社(アムトラック)への補助金を大幅に増額し、自動車の安全基準を厳格化する内容。
アムトラックへの補助金は5年間で190億ドル強と、新型コロナウイルス流行前の年間平均20億ドルから大幅に増やす。鉄道や高速道路、港湾など複数の経路を使う貨物などの輸送網に280億ドル投資する計画も盛り込まれた。
同委のマリア・キャントウェル委員長(民主党)と共和党トップのロジャー・ウィッカー氏が交渉して法案をまとめた。
公表された資料によると、アムトラックへの補助金は、首都ワシントンからボストンを結ぶ鉄道路線「北東回廊」のプロジェクトに予算を手当てすることで停滞を解消するほか、旅客鉄道路線の拡大を促す目的がある。
キャントウェル氏は「景気が回復する中、長く先送りされてきた輸送インフラのニーズへの対応が不可欠になっている」と強調した。
現行の陸上交通関連法が9月30日に失効するのを前に、議会は新たな陸上交通法案の可決を目指している。バイデン大統領は、各議会委員会で審議されている法案の一部も含め、1兆7000億ドルのインフラ投資計画を打ち出している。
上院環境・公共事業委員会は先月、道路や高速道路など陸上交通インフラ整備に向こう5年で3035億ドル拠出する類似の超党派法案を全会一致で可決した。
また、下院の委員会は10日、陸上交通インフラ整備に向こう5年で5470億ドルを拠出する別の法案を可決した。
上院商業委の法案は、自動車の安全基準に関し、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)に対し、飲酒運転を防ぐための先端技術の装備を将来の自動車に義務付ける新たな基準を導入するよう指示している。自動車メーカーは準拠に2年以上の猶予が与えられ、NHTSAは同技術の有効性を確認する必要がある。
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