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新型肺炎、中国本土の新たな感染1月30日以来の低水準 ピーク巡り異論

ロイター / 2020年2月12日 15時6分

 中国本土で2月11日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は2015人と、1月30日以来の低水準となった。北京市内で撮影(2020年 ロイター/Tingshu Wang)

[北京 12日 ロイター] - 中国本土で11日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は2015人と、1月30日以来の低水準となった。中国の感染症研究の第一人者はウイルスの流行が4月ごろに終息する可能性があるとの見方を示したが、海外の専門家は警戒感を崩していない。

中国国家衛生健康委員会は12日、中国本土で11日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は2015人、死者は97人だったと発表した。本土での11日時点の感染者総数は4万4653人、死者は計1113人となった。

感染症研究の第一人者で中国政府の専門家チームを率いる鐘南山氏は11日、ロイターのインタビューに応じ、中国国内における新型コロナウイルスの流行が2月にピークを迎え、4月ごろに終息する可能性があると予想した。同氏によると、中国国内の一部地域では既に状況が改善しており、新たな感染件数が減少している。

一方、世界保健機関(WHO)は新型ウイルスの感染拡大が世界に及ぼす影響はテロを超える恐れがあるとして一段の警戒を呼び掛けた。

WHOのテドロス事務局長は11日、「世界は目を覚まし、このウイルスを最大の敵だと認識する必要がある」と指摘。新型ウイルスの正式名称が「COVID─19」に決定されたことを明らかにしたうえで、1年半以内にワクチンの用意が整う可能性があるとの見通しを示した。

豪政府の医務責任者を務めるブレンダン・マーフィー氏は流行のピークや終息に関する鐘氏の見解について、豪公共放送(ABC)に対し「(予想するのは)あまりに時期尚早だ」と述べた。その上で「(終息時期などを)予想する前に、今後数週間にわたりデータを非常に注意深く精査する必要がある」とした。

日本では厚生労働省が12日、横浜港に停泊中のクルーズ船で新たに39人の感染が判明したと発表した。同クルーズ船の乗員乗客で陽性が確認されたのは合計174人となった。このほか、検疫官1人も感染が確認されている。

中国の国営新華社は11日の記事で、新型コロナウイルスの感染拡大は「勝たなければならない戦い」であり、中国の統治制度や能力への大きな試練」だと指摘。状況が最も深刻な地域で一部の当局者は依然として「失策を犯している」とし、「われわれにとって警鐘を鳴らすものだ」と論じた。

国営メディアが11日に報じたところによると、湖北省政府は、同省衛生健康委員会の張晋・党組書記と劉英姿・主任をともに解任した。

11日の米国株式市場は、鐘氏の発言を手掛かりにS&P500種とナスダックが前日に続き最高値を更新して取引を終えた。

12日のアジア株や米株価指数先物も、ウイルスの流行が最悪期を脱した可能性があるとの期待から小幅高となっている。

仮に流行が早期に終息したとしても、中国では人員削減に踏み切る企業や融資を必要とする企業が出るなど、すでに経済に打撃が及んでいる。

国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局のチャンヨン・リー局長は12日、中国は景気が一段と減速した場合、財政出動による景気刺激策を講じる余地があるものの、構造改革や急速な信用の伸びへの対応も怠るべきではないと指摘した。

アジアの銀行関係者は、主要なロードショーなどが延期される中、資本市場やM&A(合併・買収)などの案件が棚上げになる可能性を指摘した。

米IT(情報技術)企業では、シスコシステムズ やフェイスブック 、AT&T 、スプリント が、スペインのバルセロナで24─27日に開催される世界最大級のモバイル機器展示会「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2020」への参加見送りを明らかにした。大手企業の参加取りやめが相次ぐ中、携帯電話通信の国際業界団体GSMAは同日、MWC開催中止の可能性について協議するため、14日に会合を開くと発表した。

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