日銀、追加緩和の用意も コロナ対応でなお手段=黒田総裁
ロイター / 2020年10月13日 2時35分
日銀の黒田東彦総裁は12日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経済的打撃を緩和する手段が尽きたわけではないとし、追加的な金融緩和措置を講じる用意があることを強調した。1月撮影(2020年 ロイター/KIM KYUNG-HOON)
[東京 12日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は12日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経済的打撃を緩和する手段が尽きたわけではないとし、追加的な金融緩和措置を講じる用意があることを強調した。
国際金融協会(IIF)主催のオンラインセミナーで、日本経済は4─6月に底打ちしたと指摘。全体的には数カ月前よりも「はるかに改善した」もようで、輸出や生産、資本支出は「かなり堅調」とした。
ただ、サービス業を中心とする消費は極めて弱く、効果的な新型コロナワクチンが開発されなければ、消費低迷が当面続く可能性が高いと言及。「新型コロナ感染症の影響を注意深く監視し、必要に応じて追加緩和措置を実施することを躊躇しない」と述べた。
その上で、「日銀は政策ツールを使い果たしたわけではなく、(新型コロナ感染症による打撃に)対抗するための多くの政策ツールを持っている。実施すべき措置を検討する上で、われわれは柔軟かつ革新的だ」と語った。
インフレ率に関しては、新型コロナ感染症が消費需要を「大幅に」抑制したため、当面はマイナスが続くと想定。ただ、経済回復とともに来年には回復すると見込んだ。
また、「すでに公平で安定かつ充実した医療保険や年金制度があるため、現時点ではいわゆる負の所得税やベーシックインカムは必要ない」と主張。20年債、30年債、40年債などの長期債利回りがプラス圏で推移していることが年金基金や生保の助けになっているとし、財政の持続可能性を中長期的に追求するという政府のコミットメントは、日本国債に対する投資家の信頼を維持するために非常に重要とした。
マイナス金利政策については、マイナス0.1%の金利が準備金の一部にしか課されていないとして、擁護する姿勢を示した。
このほか、デジタル通貨の将来的な発行に向けた要件や基本原則を検討するために、来春からデジタル円の試験を開始すると表明。「中銀のデジタル通貨が民間の決済サービスの代替や廃止につながらないことが非常に重要だ」とした。
この記事に関連するニュース
-
訂正物価の基調上昇なら、緩和度縮小「考えないといけない」=日銀総裁
ロイター / 2024年4月9日 16時33分
-
「日銀が利上げ、なのに円安が進んだ…」ローンはどうなる?いまさら聞けない「金融政策」 基本から知りたい、に答えます…経済のあらゆる「モヤモヤ」、記事と音声で
47NEWS / 2024年4月9日 10時30分
-
日本円の紙くず化はやはり避けられない…日銀の「異次元緩和終了」でも円高にならない根本原因
プレジデントオンライン / 2024年3月29日 11時15分
-
円安は長期化?!日銀マイナス金利解除もハト派、米FRB長期金利見通し引き上げタカ派
トウシル / 2024年3月27日 16時0分
-
日銀の植田総裁が正常化と言うのを嫌がったワケ~難しい追加利上げの理由付け(愛宕伸康)
トウシル / 2024年3月27日 8時0分
ランキング
-
1山手線沿線の再開発が進む 「新宿、渋谷、品川」駅の工事はいつ終わるのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 7時10分
-
2サイゼリヤ、ギリギリ「国内黒字化」も残る難題 国内事業の利益率0.05%、値上げなしで大丈夫か
東洋経済オンライン / 2024年4月24日 7時30分
-
3イトーヨーカドー、祖業のアパレル復活なるか アダストリアとの新ブランドが生んだ“相乗効果”
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 10時0分
-
4アキレス、シューズの国内生産終了へ コスト増や少子化など背景
ロイター / 2024年4月25日 16時27分
-
5過度の変動望ましくない、動向注視し万全の対応行う=円安で官房長官
ロイター / 2024年4月25日 11時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください