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中国人民銀、一部銀行の預金準備率引き下げ 790億ドル市中に供給

ロイター / 2020年3月14日 1時10分

 3月13日、中国人民銀行(中央銀行)は、市中銀行が中銀に義務的に預け入れる資金の割合である預金準備率を一部銀行を対象に16日から引き下げると発表した。写真は北京の人民銀行。2月3日撮影(2020年 ロイター/Jason Lee)

[北京 13日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は13日、市中銀行が中銀に義務的に預け入れる資金の割合である預金準備率を一部銀行を対象に16日から引き下げると発表した。5500億元(790億ドル)を市中に供給し、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている経済を支援する。

人民銀行のウェブサイトに掲載された声明によると、包摂金融の目標を達成した銀行の預金準備率を0.5─1%ポイント引き下げる。

いわゆる株式会社形態の銀行については、さらに1%ポイント引き下げる。

対象を絞った預金準備率の引き下げは今年2回目。2018年初め以降では9回目となる。人民銀行は新型コロナ対応として、これまでに最優遇貸出金利の引き下げや、銀行に低利融資を要請するなどしている。

人民銀行は、新型ウイルス感染が加速した1月末以降、次々と政策緩和措置を打ち出している。

ただ、人民銀行は同時に、景気回復を優先するため一段と柔軟にはなっているものの、穏健な金融政策を維持するとあらためて表明した。

UBSのアナリストらは先週、年内に預金準備率がさらに合計100ベーシスポイント(bp)引き下げられると予想していた。中期貸出制度(MLF)の金利はさらに10bp引き下げられ、消費者物価の上昇率が目立って低下すれば預金基準金利も25bp引き下げられる可能性があるとの見方を示した。

ロイターのアナリスト調査では、今年第1・四半期の経済成長率は前年比3.5%まで落ち込むと予想されている。昨年第4・四半期の成長率は6.0%だった。前期比ではもっと低成長になるとみるアナリストもいる。

複数の関係筋が先月、ロイターに明らかにしたところによると、中国当局は2020年の経済成長目標を6%前後から引き下げるかどうか協議しているという。

3月5日に開幕する予定だった全国人民代表大会(全人代)が新型コロナの影響で延期されたため、2020年の経済成長目標はまだ発表されていない。

交通銀行のシニアエコノミスト、Tang Jianwei氏は「預金準備率の引き下げにより、四半期末の流動性を補完し、信用を高める余地を拡大させ、経済の急回復を促進する」と指摘。「準備率引き下げはまた、足元の世界的な資本市場の下落を巡る悲観論に対応し、金融市場にある程度の信頼感を与える」と述べた。

一方、小規模工場の生産再開の遅れを考慮すると、信用の拡大だけでは短期的な成長押し上げには不十分との声もある。

サウスウェスト・セキュリティーズのアナリスト、Yang Yewei氏は「中国の流動性条件は緩和的であり、追加の資金が企業に効果的に行き渡るかは現時点では不明」とした。

*内容を追加します。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください。)

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