米緩和縮小、11月半ばにも インフレ懸念強める=FOMC議事要旨
ロイター / 2021年10月14日 6時58分
米連邦準備理事会(FRB)が13日に公表した9月21─22日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、11月半ばにもテーパリング(量的緩和の縮小)に着手できるとの考えが示されていたことが分かった。2019年3月撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)
[13日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が13日に公表した9月21─22日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、11月半ばにもテーパリング(量的緩和の縮小)に着手できるとの考えが示されていたことが分かった。多くの参加者が想定より高いインフレが続くことに懸念を示した。
議事要旨によると、11月2─3日の次回会合でテーパリング着手が決定されれば、11月半ば、もしくは12月半ばに実際に縮小を開始できるとの認識が示された。完了時期については「景気回復がおおむね順調なら、来年半ばあたりに完了させることが適切となる」との見解が示された。
縮小ペースについては、国債の買い入れを月額100億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を50億ドル縮小する案について検討。「数人」の参加者がこれよりも速いペースでの縮小を提案した。
今夏の議事要旨とは異なり、一時的な要因が「消滅」したことにより、インフレ圧力が緩和されることを「おおむね」期待してはいないとした。今回の要旨はFRB内でインフレ懸念が強まっていることを示唆。「ほとんど」の参加者が上昇リスクを見ており、「一部」の参加者はインフレ高進がインフレ期待やさらに物価に影響を与えることを懸念している。
ただ「ほかの数名」の参加者は、価格上昇圧力は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)関連の供給ボトルネックによるもので、軽減の可能性があるとした。
FRBは、完全雇用を達成するとともにインフレが2%をしばらく上回って推移するまで、政策金利をほぼゼロに据え置くことを公表している。これまで課題はインフレを上げることだと考えられていたが、現在では逆の問題が生じている可能性がある。
米労働省が13日に発表した9月の消費者物価指数は前年同月比5.4%上昇となった。金利先物トレーダーは、FRBが来年9月までに利上げを開始することになるとの見方を強めている。
議事要旨によると、「さまざまな」参加者が、経済状況から「今後2─3年」は現在の水準に近い金利を維持することが正当化されるだろうとしていた。しかし「多くの」参加者は、来年末までに完全雇用に達すると思われるため、金利を引き上げる必要があるとし、また「一部の」参加者は、インフレは上昇リスクを伴って高止まりするとの見方であったことが示された。
FRBは同FOMCで、早ければ11月にもテーパリング(量的緩和の縮小)に着手する可能性があるとの見通しを示した。また、その後に続く利上げの時期が予想よりも早まる可能性を示唆した。
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