豪就業者数、9月は前月比13.8万人減 ロックダウン響く
ロイター / 2021年10月14日 11時39分
豪連邦統計局が10月14日発表した9月の雇用統計によると、就業者数は前月比13万8000人減少と、2カ月連続の大幅減となった。写真はシドニーで昨年6月撮影(2021年 ロイター/Loren Elliott)
[シドニー 14日 ロイター] - 豪連邦統計局が14日発表した9月の雇用統計によると、就業者数は前月比13万8000人減少と、前月に続き大幅減となった。新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)で企業が従業員のレイオフを余儀なくされた。
市場予想は13万7500人減だった。8月は14万6100人減少していた。
失業率は4.6%と、8月の4.5%から悪化。市場予想は4.8%だった。ロックダウンで求職活動が制限され、求職中であっても失業者に加算されない場合が多いため、失業率は不自然に低く抑えられている。
ABSの労働統計担当責任者、ビョルン・ジャービス氏は「低い失業率は最近のロックダウン下での労働参加率の低下を反映しており、労働市場の状況が強いわけではない」と指摘した。
労働参加率は0.7%ポイント低下し、64.5%となった。6月に記録した過去最高の66.2%を大きく下回っている。ロックダウンの解除で今後数カ月に求職者が増加すれば、労働市場が持ち直す中でも失業率が上昇する可能性がある。
最大都市シドニーではコロナワクチン普及に伴い行動制限が緩和されており、メルボルンとキャンベラでも近く緩和される見通し。
オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)のデベル副総裁は14日の講演で、ロックダウン以前に労働市場は強い回復を遂げていたが、賃金の伸びは鈍い状態が続き、年間の賃金増加率が2%を上回っている労働者の数はわずかだったと指摘。
豪州では賃金上昇率とインフレ率が加速していないため、刺激策縮小に動いている他の主要国中銀に追随する必要はないとの認識を示した。
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