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英GDP、パンデミック前の水準上回る 11月は0.9%増と予想超え

ロイター / 2022年1月14日 18時56分

 1月14日、英国立統計局(ONS)が発表した11月の国内総生産(GDP)は前月比0.9%増と市場予想を上回った。ロンドンの地下鉄で昨年6月撮影(2022年 ロイター/Henry Nicholls)

[ロンドン 14日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が14日発表した11月の国内総生産(GDP)は前月比0.9%増と市場予想を上回った。英経済は最初にロックダウン(都市封鎖)入りする前の水準を超えた。

ONSによると、GDPは2020年2月の水準を0.7%上回った。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.4%増だった。

スナク財務相は「11月に経済規模がパンデミック(世界的大流行)前の水準に戻ったことは驚くべきことであり、英国国民の気概と意志の強さの証しだ」と述べた。

他国は米国を筆頭に、既にパンデミック前の経済規模を回復している。

ただ、12月には新型コロナウイルスのオミクロン変異株が欧州を襲ったため、GDPは打撃を受けたと見られる。多くの企業が深刻な人員不足を報告し、消費者が依然として外出に不安を抱く中、1月も景気の勢いが失われる見込みだ。

一方、保健当局者は英国でのオミクロン株感染拡大の波はピークに達したと考えており、アナリストによれば、経済への打撃は長続きしない可能性が高く、英中銀は今年も利上げを継続できそうだ。

英中銀の現在の予測では、GDPが19年末の規模に回復するのは22年第1・四半期となっている。GDPは20年に9%以上縮小していた。

ONSはデータの修正を考慮しなければ、12月のGDPが0.2%以上のマイナスにならなければ、四半期ベースのGDPは10─12月に新型コロナウイルス流行前の水準に並ぶか、これを上回ると説明した。

ONSによると、11月は建築、小売、宅配、会計分野が堅調で、建設業は、世界的なサプライチェーンの問題の後、原材料の調達が容易になったため、数カ月間の低迷から回復したという。

英国経済は、コロナ規制が緩和されたとしても、今後数カ月は依然として困難に直面する見込み。

英商工会議所の経済担当責任者、スレン・シル氏は「プランBの措置が解除されれば英国経済は回復するはずだが、インフレ率の急上昇やサプライチェーンの混乱が続くことで、経済成長見通しは2022年の大半で圧力を受け続けることになるかもしれない」と述べた。

GDP統計を受け、ポンドは対ドルと対ユーロで小幅高となった。

<EU域外からの輸入、存在感増す>

これとは別に、ONSが発表した貿易統計によると、11月の英国のモノの貿易赤字は113億ポンドと、10月の118億ポンドからわずかに縮小した。

欧州連合(EU)域外からの輸入は11カ月連続でEUからの輸入を上回り、ONSによると、その差は21年に入ってから最も大きくなった。

11月の鉱工業生産指数は前月比1.0%上昇した。市場予想は0.2%上昇だった。

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