スイス、今年の成長率予想を3.2％に引き下げ 世界経済減速で

９月１６日、スイス政府は、今年の成長率予想を従来の３．６％から３．２％へ引き下げた。世界経済の状況がこれまでほど明るくないと指摘した。写真はチューリヒで２０１９年１１月撮影（２０２１年　ロイター／Arnd Wiegmann）

［チューリヒ　１６日　ロイター］ - スイス政府は１６日、今年の成長率予想を従来の３．６％から３．２％へ引き下げた。世界経済の状況がこれまでほど明るくないと指摘した。

スイス経済省経済事務局（ＳＥＣＯ）は声明で「景気回復は予想通り続くが、当初は従来の予測ほど力強いものにはならない」と説明した。

供給のボトルネックにより世界的に工業生産の伸びが抑えられているほか、新型コロナウイルス感染対策により一部の国でサービス部門が打撃を受けていると分析。世界経済の回復の勢いが弱まったため、スイスの成長率は６月に予想した３．６％よりも低くなる見込みとした。

２０２０年の国内経済の落ち込みは当初考えられていたほど大きくないことが最近の指標で明らかになり、反発力が弱まることも下方修正の一因と指摘した。

スイスの経済活動は夏の間に新型コロナ危機前の水準を超えた可能性が高いとの見方を示した。

国際観光など新型コロナの影響が大きい業種は回復が遅れるとする一方で「ロックダウン（都市封鎖）などの厳しい措置が数カ月以内に実施されなければ、景気回復は途切れず続くだろう」と予想した。

来年は回復が加速する見込みとして、成長率予想を３．３％から３．４％へ引き上げた。