ガザの戦闘、鎮静化の兆しみられず イスラエルは空爆継続の構え
ロイター / 2021年5月18日 14時31分
5月18日、米国や国際社会の呼びかけにもかかわらず、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦闘は鎮静化する兆しがみられない。イスラエルの空爆を受けた建物、ガザで17日撮影(2021年 ロイター/Suhaib Salem)
[ガザ/テルアビブ 18日 ロイター] - 米国や国際社会の呼びかけにもかかわらず、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦闘は鎮静化する兆しがみられない。
イスラエル軍は17日夜、ハマスやその他勢力がこれまで約3350発のロケット弾をパレスチナ自治区ガザから発射したと発表。このうち200発は17日に発射されたとした。イスラエル側は少なくとも130人の武装勢力を殺害したとしている。
ガザの当局者は、先週の戦闘開始以降、パレスチナ側の死者は212人で、このうち61人が子供・36人が女性だったと明らかにした。イスラエル側の死者は10人でこのうち2人が子供だった。
米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は17日、戦闘が拡大する可能性を警告。北大西洋条約機構(NATO)の会合出席のために訪れたブリュッセルで記者団に「戦闘が続けばより広範囲に破壊が及ぶ。戦闘の継続は誰の利益にもならない」と述べた。
イスラエル軍によるガザへの空爆は一晩中続いた。明け方にはガザ地区の2つの建物にミサイルが着弾し、濃い煙が立ち込めた。
ガザの武装勢力は18日未明にロケット弾を発射、イスラエル南部の都市ではサイレンが鳴り響き、数千人が防空壕に逃げ込んだ。どちらの側からも負傷者の報告はない。
ガザからのロケット弾発射は、これまでの夜に比べて少なかったもよう。イスラエル軍のロケット警報の情報によると、ロケット弾の発射は6時間ほどいったん収まり、明け方に再び始まったという。
<外交努力続く>
バイデン米大統領は17日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、イスラエルとパレスチナ武装勢力間の衝突を巡り停戦を支持すると表明した。
ただネタニヤフ首相は、軍などの幹部との協議後にテレビ演説でガザへの空爆継続を宣言。「イスラエルの平和と安全回復に必要な限り行動を続ける」と述べた。
これに対しハマスは、イスラエルが即座に攻撃を止めないならロケット弾で報復する構えを示している。
ブリンケン米国務長官は、すべての勢力に市民の保護を求めた。
イスラエルには防衛の権利があると強調する一方、海外メディアが入居するガザのビル空爆について、ハマスの拠点があったとのイスラエルの主張について証拠は確認していないと述べた。ビルには米AP通信も入居していた。
エジプトと国連も仲介を加速させている。国連総会は20日にこの問題について協議する予定。
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