公衆衛生支出が少ない国家、信用格付け引き下げも=WHO委員会
ロイター / 2021年5月18日 19時35分
世界保健機関(WHO)汎欧州保健・持続可能な開発委員会のマリオ・モンティ委員長はロイターに対し、公衆衛生への支出があまりに少ない国家は信用格付けが引き下げられる可能性があると述べた。世界経済フォーラムに出席したモンティ氏、2017年撮影。(2021年 ロイター/Ruben Sprich)
[ブリュッセル 18日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)汎欧州保健・持続可能な開発委員会のマリオ・モンティ委員長はロイターに対し、公衆衛生への支出があまりに少ない国家は信用格付けが引き下げられる可能性があると述べた。
昨年9月に設置された同委員会は、ヘルスケアの失敗による金融安定性リスクを明示するため、新たなグローバル機関の設立を望んでいる。これまでには、将来のパンデミックを防ぐための業務を行う「世界保健理事会」の設立を20カ国・地域(G20)に勧告。これは2008年の金融危機後に設立された「金融安定理事会」がモデルだ。
ローマでは21日に世界保健サミットが開かれ、G20首脳は新型コロナウイルス危機や将来の危機回避策について協議する予定となっている。
元イタリア首相のモンティ委員長は「今回のようなパンデミック(世界的大流行)は金融安定性だけでなく、経済と金融システム全体にも大きな脅威となる」と指摘。「事前に保健とファイナンスを統合するあらゆる取り組みは総じて報われるだろう」と述べた。
委員会のリポートによると、パンデミックとそれに伴うロックダウン(都市封鎖)のため世界は推定で10兆ドル以上の損失を被ったという。
モンティ委員長は、各国に支出拡大を促すため、気候政策のように、保健を巡る脅威が金融リスクに転換される可能性があると指摘。支出が少ない国家は信用格付け引き下げリスクに直面する可能性があるとした。
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