米住宅着工件数、1月減少 予想は上回る 許可件数13年ぶり高水準
ロイター / 2020年2月20日 3時6分
米商務省が19日発表した1月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比3.6%減の156万7000戸と、市場が見込んでいた142万5000戸までは落ち込まなかった。ロサンゼルスで2018年7月撮影(2020年 ロイター/Lucy Nicholson)
[ワシントン 19日 ロイター] - 米商務省が19日発表した1月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比3.6%減の156万7000戸と、市場が見込んでいた142万5000戸までは落ち込まなかった。許可件数は約13年ぶりの高水準となり、住宅市場が底堅さを保っていることを示唆した。
2019年12月の住宅着工件数は当初発表の160万8000戸から162万6000戸へ上方改定された。
1月の前年同月比は21.4%増だった。19年全体の着工件数は年率で129万1000戸と、18年から3.3%増えた。
1月の住宅着工許可件数は前月比9.2%増の155万1000戸と、07年3月以来の高水準を付けた。一戸建てと集合住宅がともに伸びた。
住宅ローン金利が3年超ぶりの低水準にある中、住宅市場は底堅さを保っている。住宅市場が米国内総生産(GDP)に占める割合は約3.1%だが、経済への影響は大きい。新型コロナウイルスの感染拡大によるリスクや、個人消費の鈍化、設備投資の低迷が見られる中、住宅市場の底堅さは、過去最長期間続く景気拡大が持続する要因となり得る。景気拡大は11年目に入っている。
前日に発表された2月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は2年ぶりの高水準を保った。ただ、建設業者は依然として「建設労働者や用地が不足していることで全国的に手頃な住宅の建設が抑制されている」と指摘した。
連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年住宅ローンの固定金利は現在平均3.47%と、16年10月以来の低水準だ。物価が緩やかに伸びる中で米連邦準備理事会(FRB)は今年、金利を据え置く見通しで、住宅ローン金利は低い状態が続くとみられる。
住宅着工件数の内訳は、一戸建て住宅が5.9%減の101万戸だった。12月は107万3000戸と、07年6月以来の高水準だった。地域別では北東部と西部が増加する一方、中西部と人口の多い南部は減った。月々の変動が激しい集合住宅の着工件数は0.7%増の55万7000戸だった。
許可件数は一戸建て住宅が6.4%増の98万7000戸と、07年6月以来の高水準を付けた。集合住宅は14.6%増の56万4000戸だった。
供給不足が住宅市場を抑制する中、1月の完成件数は3.3%減の128万戸だった。一戸建て住宅は3.5%減少した。
不動産業界では、在庫ギャップ解消には毎月の住宅着工件数と完成件数が150万─160万戸に達する必要があると見なされている。
建設中の住宅は1.3%増の120万3000戸と、07年2月以来の高水準だった。一戸建て住宅は1.5%増の53万8000戸だった。
MUFGのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「住宅着工件数が予想を上回ったほか、卸売物価指数も上昇がやや加速し、経済は好調のようだ」と述べた。
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