トランプ氏、コロナ「抑制されつつある」 フロリダでは急拡大続く

　７月１９日、トランプ米大統領は、新型コロナウイルスの感染拡大は抑制されつつあるとの認識を示した。写真はワシントンで１６日撮影（２０２０年　ロイター/Jonathan Ernst）

［１９日　ロイター］ - トランプ米大統領は１９日、新型コロナウイルスの感染拡大は抑制されつつあるとの認識を示した。一方、フロリダ州では新たに報告された感染者数が１万２０００人超と、５日連続で１万人を超えた。

全米の感染者数は累計で約３７０万人、死者は１４万人を超えている。

トランプ大統領は１９日に放送された「ＦＯＸニュース・サンデー」のインタビューで、「小さな残り火や炎がある。フロリダは炎のようになっているが、じきにコントロールされる」と述べた。

また、ウイルスはいずれ消滅するとの主張を繰り返し「最終的には私が正しいことが分かる」と語った。

米疾病対策センター（ＣＤＣ）の専門家はこれまでに、新型コロナの感染者数と死者数は、この秋から冬にかけて増加すると予想している。

アラバマ、アリゾナ、ジョージア、フロリダ、ノースカロライナ、ネバダ、テキサスなど少なくとも１４州では、今月に入って新型コロナの入院患者数が最多を記録している。

ＣＤＣのレッドフィールド所長は、秋から冬にかけて医療機関は新型コロナに加えて季節性インフルエンザの患者への対応も必要になる可能性があり、公衆衛生にとって最も厳しい時期の１つになるとみている。

だが、トランプ大統領はこうした指摘に懐疑的な見方を示し「（そうなるかどうか）私は分からない。レッドフィールド所長も分かっていないだろう」と述べた。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長についても「やや人騒がせだ」との見方を示した。ファウチ氏は、米国民が結束して感染防止策を講じなければ、１日当たりの感染者は１０万人を超える可能性があると警告している。米国では１６日に過去最多の７万７２９９人の新規感染が報告された。

一部の州では、検査の不足や結果判明の遅れも感染封じ込めの障害となっている。

米紙ワシントン・ポスト（ＷＰ）とニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）の報道によると、トランプ政権は州政府による検査・接触者追跡向けの資金２５０億ドルの拠出を阻止したい意向という。

ホワイトハウスはこの報道について、ロイターの取材に対しコメントを控えた。

米国では５月下旬以降、１日当たりの検査件数が約２倍に増加しており、ＣＯＶＩＤトラッキングプロジェクトのデータによると、１７日には８５万件を超えて過去最多となった。ただ、一部の専門家の間ではまだ、不十分との声もある。