三菱重工とJAMSTEC、新発想の海中燃料電池システムの実海域試験に世界で初めて成功

JCN Newswire / 2013年11月13日 17時39分

小型で高効率、高信頼性システムの実用化にメド

Tokyo, Nov 13, 2013 - (JCN Newswire) - 三菱重工業が、独立行政法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)と共同で開発した新発想の閉鎖式燃料電池システムが、実海域で海中の観測機器へ電力を供給する試験に世界で初めて成功しました。ガス循環系に新たな構造を採用するなどして、これまでの技術的課題をクリアした小型の燃料電池システムで、この成功により、従来の蓄電池に代わって、海底設置型の観測機器や海中探査船を長時間稼働させるための海中電源として大きな役割を果たすことが期待されます。

今回、実海域試験に成功したのは固体高分子形の高効率マルチ・レス(High Efficiency Multi Less:HEML)燃料電池システムです。試験は、JAMSTECの海洋調査用曳航体「ディープ・トウ」に搭載した燃料電池システムを水深180mまで潜行させ、2つの観測機器に同時に電力を供給したもので、その結果、安定的な電力供給とそれを受けた機器の継続的な観測が確認されたものです。

深海を含む海中では、有人潜水船や無人探査船、さらには曳航体やランダーなど数多くの観測プラットフォームが使用されていますが、近年、装置の高度化や観測期間の長期化などにより、必要な電力量が増大、それに伴い、出力容量に制限がある蓄電池では能力が不足する事態が生じています。そのため、これまでも閉鎖式燃料電池システムの開発が進められてきましたが、ガス循環装置や、ガスを湿潤にするための加湿装置などの必要からシステムが小型化できないという課題や、水素ガスの微量漏洩を阻止できない問題などがあり、良好な結果を得るには至りませんでした。

今回の高効率マルチ・レス燃料電池システムは、これまで実用化を妨げてきたこれらの問題を、ガス循環系などに新規機構を採用することにより解消したのが特徴です。

具体的には、燃料電池スタックの上流側と下流側をバルブ操作により一定間隔で入れ替える機構を採用することで、大型化の要因となっていた循環器や加湿器を不要とし(Blower-Less、Humidifier-Less)、また、燃料電池スタックを密封することで、水素ガスのリークもなくして(Leak-Less)、これらの難問を同時に解決するマルチ・レス(Multi -Less)を実現しました。併せて、この小型化により、自己消費電力の抑制や起動時間の短縮を可能にしています。

当社とJAMSTECは、今回の海中試験により、小型で高効率、高信頼性の燃料電池システムの実用化にメドがついたことを受け、今後、本格的な実用レベルである数kW級の閉鎖式燃料電池システムの開発に向けて取り組んでいきます。

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三菱重工業株式会社

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