岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち ドナルドは誰の大統領なのか(後編)

J-CASTニュース / 2017年3月21日 12時2分

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愛国歌「アメリカ・ザ・ビューティフル」を歌う人たち。大勢の反トランプ派に交じり、 左後方に「BUILD THE WALL」のボードを持ったトランプ派も見える。

「プレジデンツ・デー」に、反トランプ派の集会(2017年2月20日)で、堂々と渡り合っていたトランプ派の女子高校生を、テレビ局の女性記者がインタビューしに来た。

「トランプは自分たちの大統領ではないという人たちがいますが、それについてどう思いますか」と記者が質問する。

「トランプは私たちみんなの大統領です。トランプ氏自身が就任式で、そう言いました」

分裂を引き起こしたのは、トランプ氏ではない

記者は「本当にみんなの大統領だと思っているのですか。トランプ氏が人々の対立を深めることばかり言っているとは、思わないのですか」と聞く。

高校生は「アメリカはこんなに分裂してしまいました。あと一歩で内乱が起きます。でも、分裂を引き起こしたのは、トランプ氏ではありません」と応じた。

怒号が飛び交うなか、すぐそばで数人の青年たちが、静かにたたずんでいる。手には、「62%のアメリカ人がイスラム教徒に会ったことがない。僕はイスラム教徒です。何でも聞いてください」などと書かれたサインを持っている。

彼らに「あなたの大統領は誰?」と私が尋ねると、穏やかに答えた。

「イスラム教徒として僕たちは、この国に忠誠心があります。民主主義国家で選ばれた大統領ですから、トランプ氏を支持します。僕が支持しないのは、彼の政策です」

向こうで、反トランプ派が声を揃えて叫んでいる。

「We need a leader! Not a creepy tweeter!(我々に必要なのはリーダーだ!クリーピー(身の毛のよだつよう)なツイーターじゃない!)」
「No Trump! No KKK! No Fascist USA!(ノートランプ!ノークラックス・クラン(白人至上主義団体)!ノーファシストUSA!)」

愛国歌が流れ、罵声が消えた

と、どこからともなく楽器を手に人々が現れ、米国の愛国歌「アメリカ・ザ・ビューティフル」を演奏し出した。みるみるうちに広場を人々が埋め尽くし、声を合わせて穏やかに歌い始めた。

罵声は消えた。ともに静かに歌う姿は、感動的だった。音楽は人の心をひとつにする。私は胸を揺さぶられ、思わず、辺りを見渡した。反トランプ派も一緒に歌っているのだろうか。

そこには「No!」と書かれたプラカードが林立し、反トランプ派の姿ばかりのように見えた。が、たった一人、後ろのほうで、「壁を作れ!」と書かれたサインを手にしている男性がいた。彼が歌っているか、私のいる場所からはわからなかった。

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