山中慎介、デビューの頃は試合中緊張で話聞こえず…大和トレーナー明かす意外な証言

スポーツ報知 / 2017年8月13日 9時0分

予備検診の結果について山中と話す大和トレーナー(右)

◆報知新聞社後援 プロボクシング「ワールドプレミアムボクシング」▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 山中慎介―ルイス・ネリ(15日・島津アリーナ京都)

 WBC世界バンタム級王者・山中慎介の13度目の防衛戦(報知新聞社後援)の予備検診が12日に都内で行われ、同級1位ルイス・ネリともに異常はなかった。06年のデビュー2戦目からトレーナーとしてコンビを組む大和心氏(42)が、山中の「覚醒の時」を語った。

 冷静な試合運びで防衛を重ねる山中は、リング上では緊張もせずメンタルは非常に強く見える。しかし大和トレーナーは「キャリア前半の頃は(試合直前や試合中に)緊張しすぎて話が聞こえていなかった」と証言する。

 プロ2戦ながら、当時のWBC世界バンタム級王者だった長谷川穂積氏のV3戦の相手、ヘナロ・ガルシア(メキシコ)からスパーリングでダウンを奪うなど練習では強かった。だが当時は「それが試合に出なかった」という。大和氏も疑問に思っていた頃、原因が判明した。

 ある試合の日に山中をリラックスさせようと、朝の電車内で目の前の人のズボンのチャックが開いていたエピソードを話した。だが山中は笑うこともなく「ハイ」と返答。思わず「いや、今は笑うところだよ」と突っ込んだ。「返事はしているから、こっちは聞こえていると思った。でも、そうじゃなかった」

 そこで大和氏は、助言する際に「(山中が)1個でも2個でも復唱できるよう、ゆっくり話すようにした」。欠点克服を確信したのは09年1月の現日本スーパーフライ級王者・船井龍一(ワタナベ)とのプロ9戦目。「ジャブのタイミングが読めたら合わせるんだ」とアドバイスを送ると、左カウンターでダウンを奪った。リング下から「な?(言う通りだろ)」と言うと、振り返ってニヤッと笑った。「話がやっと通ったと思って鳥肌が立った」。そこから世界王座決定戦まで9連続KOを飾った。

 今は本番に強いタイプに変貌。ダウンを奪えばニュートラルコーナーにいなければならないが、山中は相手に寄っていく場面が多くある。大和氏は「笑顔で寄っていく。ゾクッとする。相手からしたら怖い」と話す。

 リングを降りれば“天然”な行動で周囲を和ませる。「両手に携帯電話とゴミ袋を持って、携帯を捨ててゴミ袋を持って帰ろうとしたことがある。『今、何捨てた?』と言ったら『アカン!』と言って慌てて探し出した。後援会の集まりに行くのに、ジムにベルトを忘れて取りに来たり。普段は優しくて、気を使える。後輩も慎介さん、と名前で呼ぶ。人柄でしょうね」。リング上とのギャップも魅力のひとつだ。(特別取材班)

hochi

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