「車イスの男性から殴られた」 漫画家ツイートで都美術館が謝罪

J-CASTニュース / 2019年6月17日 20時56分

写真

漫画家がツイッターで訴え

東京・上野の東京都美術館内で車イスの男性からいきなり殴られたと、漫画家の峰なゆかさん(34)がツイッターで主張し、何があったのかと波紋が広がっている。

峰さんは、美術館側は「注意しかできない」と言っていたと批判しており、美術館側は、「配慮を欠いた」と公式サイト上で謝罪した。

「『常連のお客様で頻繁にトラブルを起こす方』と言っていた」

峰さんは、30歳前後の男女の日常を赤裸々に描き、深夜ドラマにもなった4コマ漫画「アラサーちゃん」などで知られる。

2019年6月15日のツイートによると、峰さんは4月から始まったウイーンの画家グスタフ・クリムトの展覧会に行き、絵を見ていると、いきなり車イスに乗った男性に殴られたという。驚いて動けないでいると、男性はさらに、無言で峰さんを2、3発殴ったとしている。

峰さんが美術館のスタッフにこのことを伝えると、次のような内容のことを言われたという。

「常連のお客様で頻繁にトラブルを起こす方なんですけど、こちらでできることは口頭注意くらいです」

痛さと惨めさから峰さんは大泣きしてしまい、スタッフが峰さんを救護室まで連れて行ったそうだ。もしこれが本当なら刑事事件になる可能性があるが、峰さんは、「もうびっくりしすぎて警察を呼ぶとかまで頭が回らなかった」と言う。今回のことを受けて、「東京都美術館には二度と行きたくないよ! ていうかもう外出するのが恐怖!! という感じになっている」と不安な気持ちを漏らしていた。

峰さんの最初の投稿は、3万件以上もの「いいね」が付いており、様々な声が寄せられている。

男性に話を聞かなかったことは「落ち度だと思います」

峰さんの状況に心配する声が寄せられる一方、美術館への疑問や批判も次々に巻き起こった。

「障害を持った人だから注意だけで済ませてるってこと??」「毅然とした対応をして欲しかった」「即退出してもらうとか警察に通報するべき」...

美術館の広報担当者は6月17日、J-CASTニュースの取材に当時の状況を説明した。

防犯カメラを確認したところ、絵画を鑑賞する車イスの男性の前に峰さんが立っている形になり、これに対し、男性は、峰さんを複数回にわたって手で払っていた。会話の音声については、取れていないという。

峰さんは、すぐにスタッフのところへ行き、「手で3、4回はたかれた」と訴えた。この場面を見ていたスタッフはいなかったという。スタッフが「ケガありませんか?」と聞くと、峰さんは、「大丈夫です」と答えた。男性はその後、場所を離れたため、峰さんやスタッフと話すことはなかった。

峰さんはその後、救護室で休み、落ち着いてから帰った。その場に看護師がおり、峰さんにケガはなかったという。

広報担当者は、男性が常連客であることや口頭注意のこともスタッフが峰さんに話したことを認め、「誤解を与えてしまった」と話した。男性は、展覧会ごとに来ており、大きな声を出すので注意していたというが、手で払うようにしたのは初めてだという。

また、スタッフはその場で男性に話を聞かなかったとして、「落ち度だと思います」と言っている。

「スタッフが、一方のお客様から事情を聞かなかった」

都美術館は6月17日夜、公式サイトを更新し、「館内トラブルについてのお詫び及び今後の対応について」と題して事情を説明した。峰さんについては、「館内トラブル時の美術館の対応により、ご不快な思いをさせてしまいました」とし、連絡を取ってお詫びしたと説明した。

そして、「今回の件では、警備スタッフが、一方のお客様から事情をお聞きしなかったことなど、トラブル後の対応が十分でなかったことに加え、お客様に配慮を欠くご案内をしてしまい、改めて深くお詫び申し上げます。また、特定のお客様に特段の配慮をしているかのような誤解を与えてしまったことに対しても、重ねてお詫び申し上げます」と改めて謝罪した。

そのうえで、「トラブルが発生した際は、双方のお客様から丁寧に事情を確認し、状況によっては毅然とした対応をとるなど、より一層お客様の立場に立った対応を心がけてまいります」としている。

都美術館の「お詫び」を受けて、峰さんは「本日、東京都美術館の方から美術館側の対応について謝罪をいただきました」などとツイート。「また興味のある展示があればお伺いしようと思っています」としたうえで、

「あと今回の件で障害を持っている方全体を非難するようなツイートをちらほら見かけるのですが、そういうことはやめてください」

と呼びかけた。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング