国営メディアも「成功」と言わず... 北朝鮮「飛翔体」、3発中1発失敗か

J-CASTニュース / 2019年9月12日 17時38分

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ランチャー下部にエンジンの推力で穴が開いた様子を金正恩氏が眺めている。4本あるランチャーのうち、1本には蓋がついた状態だ(写真は朝鮮中央テレビから)

北朝鮮が2019年9月10日に相次いで発射した「飛翔体」の一部が、事故を起こしていたとの見方が出てきた。

北朝鮮側が9月11日に公開した発射現場の写真を見る限りでは、移動車両から3発が発射された可能性があるが、北朝鮮の発表は「2回にわたって試射が行われた」。前回8月24日の発射の際、北朝鮮は「成功」をうたっていたが、今回はその文言もない。

高度が伸びずに捕捉できなかった?

北朝鮮は8月24日と9月10日に「超大型ロケット砲」を発射したとしており、同様の飛翔体が2日間にわたって発射されたとみられる。日本政府では、両日に「同系統の短距離弾道ミサイル」(11日の河野太郎防衛相会見)が発射されたとしている。

両日とも、ミサイルは専用車両に搭載された4本のランチャー(発射管)から発射された。8月24日には4本のうち2本に赤い蓋がついた状態で、金正恩・朝鮮労働党委員長が関係者と記念撮影している。2発を発射した後に撮影したとみられる。日韓は2発が発射されたと分析しており、つじつまが合う。この様子を国営メディアの朝鮮中央通信は「金正恩党委員長の指導の下、新開発の超大型ロケット砲の試射成功」の見出しで報じた。

だが、9月10日は少し様子が違う。1発目が発射される写真では、残りの3つには蓋が付いた状態だ。それに対して、ランチャー下部にエンジンの推力で穴が開いた様子を正恩氏が眺める写真では、ひとつに蓋がついた状態だ。ランチャーの横で正恩氏が談笑する写真でも、蓋はひとつ残っていない。つまり、3発が発射されたがそのうち1発は失敗した可能性がある。では、なぜ日韓の分析でも発射は「2発」なのか。聯合ニュースによると、

「通常、朝鮮半島地域で高度500メートル以上に上がってきた飛行体は、烏山(オサン=ソウル近郊)の空軍中央防空統制所(MCRC)で捕捉することができるというのが軍関係者たちの説明」

だといい、1発は高度が伸びずに捕捉できなかったとみられる。

今後は「連発試射だけを行えばいい」の意味

9月10日の発射を伝える朝鮮中央通信の記事には「成功」の表現はなく、正恩氏が「戦闘運営上の面と飛行軌道の特性、正確度と精密誘導機能が最終的に検証された」と述べた、と伝えた。正恩氏は

「今後、ロケット砲の威力上最もはっきりした特徴となる連発試射だけを行えばいいという評価を下した」

という。今回の発射では連発試射に成功しておらず、今後も発射が繰り返されることを示唆したと言えそうだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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