サプリだって危ない!「多剤服用」でボケや内臓障害―アナタはいま何種類の『薬』飲んでる?

J-CASTテレビウォッチ / 2019年10月23日 15時50分

何種類もの薬を同時に服用する「多剤服用」の弊害が目立っている。とくに、高齢者が6種類以上の薬を飲むと、ふらつきや意識障害などを起こすリスクが高まりやすく、なかには徘徊など認知症のような症状を引き起こすケースもあるいという。

3年前に、うつや狭心症、不眠などで、同時に複数の医療機関にかかっていた80歳の女性は、合わせて12種類の薬を飲んでいた。ある日、異変が起こった。ふらつくことが増え、転倒して動けなくなり、寝たきりの状態になってしまい、夫の介護が必要な毎日になった。高齢者医療に詳しい現在の主治医は、女性が飲んでいた睡眠剤や安定剤が原因ではないかと考えた。

東京大の研究チームによると、老化によって肝臓や腎臓の機能が衰えると、薬が代謝・排泄できずに体内に蓄積しやすくなることがわかった。1つの薬なら副作用は少なくても、複数が蓄積されると症状が強く現れることがある。

この80歳の女性は、12種類の薬を5種類に減らしたところ、1カ月で歩行できるようになり、日常生活を取り戻すことができた。

花粉症薬や胃薬でも副作用重なると・・・

多剤服用のリスクを抱える高齢者は多い。7種類以上の薬をもらう人は、64歳以下では10%だが、75歳以上になると24%だ。神戸市の脳の専門病院では、認知症とされた外来患者の2割が、実は薬の多さに原因があった。85歳の男性は3年前に物忘れが急にひどくなり、認知症と診断され薬も処方されていた。

だが、この病院で診察すると、認知症の特徴である脳の萎縮は見られない。担当医が男性が飲んでいた16種類の薬のうち、鎮痛剤と睡眠薬の4種類を減薬すると、男性の物忘れは大きく改善した。

この研究を行った東京大学大学院教授で医師の秋下雅弘氏は、「基本的に、薬が多くなるればなるほど副作用は出やすくなります。この研究では、6種類以上服用している人の副作用発現率が高かったですね。代謝や排泄機能には個人差があるので、2種類でも問題が起きる人もいるし、10種類でも大丈夫な人もいます。自己判断はしないようにして下さい」と説明した。

中年層にも多剤服用のリスクはある。秋下教授によると、64歳以下の半数以上が3種類以上の薬を服用しており、「多剤服用予備軍」と言ってもいいという。「高血圧の薬、花粉症の薬、胃薬などでもそういうことは起こります」

飲んでも効果ない薬は服用増やさずやめる

「隠れ多剤服用」もある。健康食品やサプリメントだ。50代を超えると、約半数が複数のサプリメントを服用している。国立健康・栄養研究所の薬学博士・千葉剛氏は、「健康食品は薬ほどは作用は強くないんですが、人の健康に影響を及ぼす何らかの成分が入っています。複数とることで、影響が出てくる可能性はあります」と話す。

59歳の男性が、高血圧の薬とともに普段飲んでいるサプリメントをチェックすると、なんと14種類。血圧の薬と飲み合わせの悪いサプリメントも見つかった。秋下氏は「何種類ものサプリメントを飲んでいる方は、多剤服用と同じような問題があります」と指摘する。

減薬のポイントは、「足し算医療からの脱却」だと秋下氏は言う。「薬が効かないと、つい次の薬となりがちですが、足すのではなく、1つ引くという考え方が必要です」

ただ、自己判断で減らさずに、お薬手帳に記入するなどして、医師や薬剤師と情報を共有すべきという。

*NHKクローズアップ現代+(2019年10月22日放送「たくさんの薬は害になる!?~"多剤服用"の深刻なリスク~」)

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