「問題児」ネリはWBOから締め出しも... WBAはランキング除外、WBCの処分は?

J-CASTニュース / 2019年12月5日 17時58分

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ボクシングのWBO総会が2019年12月3日から都内で開催されている。WBOのフランシスコ・バルカルセル会長は、選手の健康、安全面を考慮し当日計量の導入を検討しており、将来的にWBOで導入される可能性が出てきた。また、バルカルセル会長は、2度の体重超過を犯したルイス・ネリ(24)=メキシコ=についても言及。WBOのランキングに入れないことを含め今後、WBOの世界戦出場を認めない可能性に触れたという。

ボクシング界では近年、世界的に体重超過が相次いでいる。世界戦だけではなく、ノンタイトル戦においても同様で、解決すべき大きな課題となっている。計量に関しては、ボクシングの主要4団体のうちIBFがいちはやく当日計量を導入しており、試合当日朝の計量でリミットから10ポンド(約4.5キロ)以内と定めている。WBOもこれに追随する方向で話し合いが行われており、体重管理の厳格化を目指している。

体重超過が後を絶たないのは処分が甘いから?

11月23日に予定されていた試合の前日計量で体重超過の失態を犯したネリに対して、WBAが先陣を切る形で世界ランキングから除外した。WBO、IBFはもともとネリを世界ランキングから外しているため問題ないが、注目されるのはWBCの処分である。現時点でWBCはネリに対して明確なペナルティーを科しておらず、ランキングも更新されていないためネリは1位のまま。ランキングは来週中にも更新されるとみられる。

体重超過が後を絶たない要因のひとつとして、違反者への処分の甘さがある。体重超過をした選手には罰金が科されるケースがほとんどで、悪質と見られるものに対してはライセンス停止処分が科される。ただ、この停止期間は半年から1年程度。この間、トレーニングを積めば処分明けすぐにもリングに立つことができ、他の競技と異なり試合間隔が大きく空くボクシングの競技性からいえば、さほどダメージはないだろう。

世界にはネリ同様に悪質な違反を繰り返すボクサーもいる。元WBO世界ライト級王者のレイムンド・ベルトラン(38)=メキシコ=もそのひとりだ。2015年5月に米ラスベガスで行われたWBO世界ライト級王座決定戦(対粟生隆寛戦)の前日計量でベルトランは体重超過。この試合は王座決定戦だったため、粟生が勝利した場合のみ王座の移動が認められる変則的なものとなったが、ベルトランが2回TKOで勝利した。

ベルトランはドーピング違反に2度の体重超過

この試合の約3週間後にネバダ州アスレチック・コミッションが実施した薬物検査で、ベルトランから違反薬物のスタノゾロールに対する陽性反応が。これにより粟生戦は無効試合となり、ベルトランは罰金に加えて9カ月間の出場停止処分が科された。ベルトランはこれにこりず、今年6月のIBF世界ライト級タイトル戦(8回KO負け)でも前日計量で体重オーバーし、罰金を支払った。

世界戦で体重超過した選手のなかには、肉体的、精神的疲労で敗れるケースもみられるが、その一方でネリやベルトランのように体力を温存させていたとみられる選手が力を発揮して勝利することもある。体重の異なるボクサーが対戦した場合、リング禍につながりかねない危険をはらんでいる。とくに外国人選手は、試合当日に大幅に体重が増加している選手が多く、5キロ以上の増加はざらである。

IBFに続くWBOの当日計量導入が、体重超過の抑止力になるとはいえないだろうが、少なくともボクサーの体重管理に対する意識は変わるだろう。前日計量についてはボクサー個々の自覚に頼らざるを得ないのが現実で、ネリのように自覚に欠けるボクサーが存在することも事実である。体重超過を繰り返すネリに対してWBCがどのような処分を科すのか、世界のボクシング関係者が注目している。

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