「ずっと正社員でいてほしい」と頼む彼氏と結婚しても大丈夫? 女性の投稿が大炎上 専門家に聞いた

J-CAST会社ウォッチ / 2019年12月29日 17時0分

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彼と結婚しても大丈夫?(写真はイメージです)

彼氏から「結婚しても正社員でいてほしい」と言われた女性が、「じゃあ家事と育児は折半だよね?」と聞くと、その問いには彼氏はダンマリを決め込んだ。

「こんな彼氏と結婚しても大丈夫?」という女性の悩みの投稿が大炎上している。「そんな男、絶対にやめなさい!」という怒りが大半だが、「あなたの正社員に対する覚悟も甘い」という叱責の声もある。専門家に聞いた。

「ありえない!完全にアウト!ずるい無責任男だ」

話題になっているのは、女性向けサイト「ガールズちゃんねる」(2019年12月22日付)に載った次の投稿だ。

「20代後半、付き合って2年の彼氏がいます。先日、結婚したら妻にどうしていてほしい? 正社員?パート? と聞いたのですが、正社員でいてほしいと言われました。正直、私は結婚し子供ができたら正社員ではやっていけないな、と感じたので少しショックでした」

そこで彼女は彼氏に、

「妻にも正社員でいてほしいなら、家事と育児は折半だよね!」

と聞くと、それにはダンマリだったというのだ。

「私には家事と子育てを一人で完璧にできる自信はないです。こんな彼氏と結婚しても大丈夫でしょうか?」

と悩みを打ち明けたのだった。

この投稿内容には、圧倒的に多くの女性が激怒した。「家事育児は手伝わないけど、お金は稼いでほしいという男なんか、絶対結婚はやめなさい!」という回答が大半だった。

「妻にも正社員でいてほしいなら家事と育児は折半だよね!と聞くと、ダンマリだって? ありえない!完全にアウト!ずるい無責任な男だね。見限っちゃいな」
「正社員を続けるなら家事育児は絶対に折半させなよ。折れたらダメだよ。誓約書を書かせて、それを読み上げる様子をスマホに録画しなさい」
「家事育児手伝う気がなくて、金はアテにするってことだね。なんかわかりやすくて逆に清々しい。結婚したら苦労するのはわかっているから、頑張ってとしか言いようないな」
「子供産んでくれて、子育てしてくれて、家のことやってくれて、かつ正社員......。これは妻というより、稼いできてくれる小間使いだね」
「プラス性欲処理もだよ。これが奴隷じゃなくて何なのかって思うわ」

「あまりにも忙しく、ゆっくり座る場がトイレの時だけ」

正社員で家事育児をやることの大変さを伝える声も多かった。

「仕事が2馬力なら家事育児も2馬力だよ。当たり前。」
「あまりにも忙しくて、家に帰ってゆっくり座る場がトイレの時しかありませんでした。やっぱり旦那の協力がなくて、頑張りすぎて体を壊しちゃって長らく入院してしまいました」
「正社員しながら家事育児って一人でやるには想像以上にかなりキツイからね。数か月なら、こんなもんか余裕かも...... と思うけど、なんせ長期戦だから、年齢上がるたび体力も落ちる。私は今5年目だが、腰がボロボロだ」
「まあ結婚しても正社員の人はたくさんいるけど、家事育児は絶対分担したほうがいいよ! あなた倒れちゃう! 私は、お姑さんがいい人なので、旦那に、嫁ちゃん働かせているんだから絶対家事育児は分担しなよ! あんたフラれるよ! って、会うたびに旦那に言ってくれています」
「私も正社員で仕事を続けているけど、育休と時短はしっかりとるし、熱出したら気軽に早退できる(経理)。家事と育児は当たり前に夫も協力的。私が月末とか早退できない時は同じ会社だから課長なのに早退してくれる。それくらいやってくれないと共働きは無理。それか、家事代行サービス使うかだね」

一方で、「彼氏の言い分もわかる」という意見がごく少数だがあった。

「私の母親も、正社員で主婦業もワンオペでシッカリやっていたから彼氏さんの言い分わかるな」
「家事と仕事の両立なんて難しいと言っても、『俺の母ちゃんはそれをやっていた』という彼氏にイラつきます」

「あなたには最初からパート志向が感じられる」

ところで、「投稿者には最初からパート志向が感じられる」「そもそも何の仕事をしたいのか、正社員を続ける気はないのか」と問い詰める意見もあった。

「投稿者は甘いですね。今は仕事をしながら子育てができる時代だよ。私はアラフォー大学職員。私が30代のころは育児か仕事かしか選べず、私は仕事を選んだ。でも、今は保育所も増えて産休も時短もある時代。両立できる時代だよ。大学3年の女子は『子供は2人以上ほしいし、仕事は続ける。そして、会社内で出世もして発言権を得たい』と真っ直ぐな瞳で言っていたよ。投稿者さん、若い世代の意識は確実に変わっているんだよ。正社員から逃げないで」
「正社員を簡単に手放したらもったいない。彼氏は何も解ってなさそうだから、男も仕事だけじゃなく家事や育児も出来なきゃダメだって、今から色々教育するしかないね」

そして、こんなアドバイスをする人も。

「あなたが、正社員と主婦業両立できたとしても、最初のうちはできないフリしていたほうがいいよ。何でもやっちゃう女の人がいるけど、それはダメ夫を作り上げているだけだから。後で何もしない旦那に文句言う人がいるけど、自分がそう育てたと自覚していないんだよ。あなたはそうなっちゃいけない」

J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、今回の「結婚しても正社員続けてほしい」論争について意見を求めた。

「家庭の運営の両輪は『稼ぎ』と『務め』です」

――今回の投稿と回答を読み、率直にどんな感想を持ちましたか?

川上敬太郎さん「家庭を運営していくには、生活費を獲得するために必要な『稼ぎ』と、家事や地域活動など生活を回していくために必要な『務め』の両方が欠かせません。これまでは夫が『稼ぎ』を担当し、妻が『務め』を担当するという暗黙の了解がありました。しかし価値観の多様化に伴ってその前提は崩れ、『稼ぎ』と『務め』を誰がどう担うかは、ご家庭ごとに異なっています」
「彼氏は、自分一人の力では十分な『稼ぎ』が得られないかもしれないという不安から、投稿者さんに『正社員でいてほしい』と言ったのだと思います。ただ、『正社員でいてほしい』ということは、対等に共働きすることを望んでいるということです。しかしながら、『務め』である家事と育児については、折半することに消極的な反応を示しています。それはフェアではありません。多くの女性が指摘している通り、筋が通らない話だと感じます」

――確かにダンマリを決め込んだことには多くの人が激怒しています。彼氏の態度についてはどう考えますか?

川上さん「彼氏のダンマリに、投稿者さんは煮え切らない思いを抱え、不満を蓄積していくことになると思います。結婚して一生添い遂げることを考えると、この不満の蓄積は後々大きく響いてくるはずです。お二人の行く先が明るくなるとは思えません」
「一部に、子どもが生まれたら彼氏の態度は変わるかもしれない、価値観教育をしてみるべきだという意見もあります。しかし、確実にそうなるとは言い切れません。投稿者さんは、彼氏の考えが変わらないことも覚悟しなければなりません。もしお子さんが生まれて、彼氏が案の定、家事育児に携わらない場合に、そのしわ寄せがお子さんにいかないようにするのは親としての責任です。夫婦二人だけで完結できる話ではない点は、重々認識しておく必要があります」

――一方で、投稿者自身に「最初からパート志向が感じられ、正社員を続けたいという強い意識が感じられない」「正社員でいる道を探るべきだ」とアドバイスする意見があります。こうした意見については、どう考えますか。

川上さん「確かに投稿者さん自身が、『稼ぎ』と『務め』についてどうしたいと考えているかを明確に意思表示していない点は気になります。彼氏に『どうして欲しい?』と尋ねていますし。夫婦は家庭の共同経営者なのですから、自分はどうしたいと考えているのかをきちんと示した上で意見を聞くスタンスが必要です。彼氏は『務め』に対して消極的ですが、投稿者さんも『稼ぎ』に対して消極的な気持ちなのではないかと思ってしまいます」

「生活とキャリア、ストレスの側面から検証してみては」

――川上さんが投稿者にアドバイスするとしたら、どう答えますか。

川上さん「そんな彼氏はやめた方がいい、という声が多いですが、結婚を考えているくらいですから、そう簡単に割り切れるものではないでしょう。投稿者さんがご自身の考えを整理する上で、(1)生活(2)キャリア(3)ストレスの3つの側面から検証してみてはどうかと思います」
「(1)の生活については、『稼ぎ』と『務め』の両面からうまく家庭が運営できるかを想像してみることです。経済界から終身雇用は無理という発言が出ているように、旧来型の収入獲得モデルの継続は難しくなっています。彼氏が投稿者さんに正社員として働いて欲しいと求める気持ちもわかります。では、生活費の獲得を夫婦対等に行うとして、家事や育児などの『務め』の負担は全て投稿者さんにのしかかってしまった場合に、上手く家庭運営を続けていくことができるのか。投稿者さんに過度なしわ寄せがいった場合に、お子さんに悪影響を及ぼす可能性も想定しておく必要があります」
「(2)のキャリアとは、ご自身の仕事人生のことです。もし結婚後に、夫と一緒に生活することが難しい事態が生じた場合、自力で生活できる力があるか否かで選択肢が変わってきます。正社員として『稼ぐ』力を備えていることは、いざという時に後ろ盾となります。また、人生100年時代に、長い老後を充実させるための『生きがいとしての仕事』を得ておくという観点も大切ではないかと考えます」

――なるほど。(3)のストレスとはどういうことですか。

川上さん「ご自身にかかるストレスです。もし『稼ぎ』の負担を抱え、『務め』も全面的に引き受けることとなった時、投稿者さんに過度なストレスがかかることは容易に想像できます。また、家事育児以外にも、何かトラブルや相談ごとが発生した時に、夫となった彼氏が常にダンマリを決め込んでしまうようでは先が思いやられます。いざという時に話し合うことができる関係性は、夫婦の間で最低限維持すべきラインではないでしょうか。仮に30歳で結婚して90歳まで夫と一緒に生活するとしたら、ともに過ごす時間は60年に及びます。その長い歳月をストレスフリーな状態で過ごすのか、ストレスフルな状態で過ごすのかは、人生の幸福度に多大なる影響を及ぼすはずです」

――そういう3つの観点から彼氏と結婚すべきかどうか考えよ、ということですね。

川上さん「はい。普通に考えれば、今の彼氏が夫になることで投稿者さんは苦労されることになるはずです。しかしながら、幸せを感じるポイントは人それぞれです。先に示した3つの観点から検証してマイナス面が見えたとしても、それ以上に一緒にいたい気持ちが上回り、何十年もその気持ちを維持し続けられる場合もあるかもしれません。ご自身の決断を信じて、ぜひ幸せをつかみ取っていただきたいと思います」

(福田和郎)

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