露メドベージェフ首相が内閣総辞職…プーチン氏実権維持にらんだ布石か

読売新聞 / 2020年1月16日 1時19分

15日、モスクワで、閣僚らとの会議に出席するロシアのプーチン大統領(右)とメドベージェフ首相=ロイター

 【モスクワ=田村雄】ロシアのメドベージェフ首相(54)と閣僚は15日、内閣総辞職した。プーチン大統領(67)はメドベージェフ氏に、国家安全保障会議に新設する副議長への就任を提案した。これに先立ち、プーチン氏はモスクワ市内での演説で議会下院の権限強化など憲法改正へ意欲を示しており、2024年の任期満了で退任を余儀なくされるプーチン氏の実権維持をにらんだ布石だとみられる。

 国営テレビによると、メドベージェフ氏は、プーチン氏と並んで全閣僚の前で内閣総辞職を表明した。総辞職の理由として、憲法改正で「大統領が全ての決定をできるようにするため」と説明した。プーチン氏は総辞職を了承し、後任の人選に入った。メドベージェフ氏と閣僚は後任決定まで代行としてとどまる。

 プーチン氏の演説は、今後の内政・外交の施政方針を示す年次教書演説として行われた。

 演説でプーチン氏は、国の各機関の権限のバランスを見直す必要性に言及し、首相の選出に関し「下院には同意だけでなく承認する役割を担わせることを提案する」と述べた。閣僚人事でも議会の権限を強化させる案を示した。大統領候補の資格を厳格化する考えも示し、憲法改正が大幅な改正になる可能性を示唆した。

 メドベージェフ氏が、憲法改正に向けた動きが具体化する前に総辞職した真意は不明だ。プーチン氏が24年の大統領退任後の大統領後継者を育成するため、首相を交代させた可能性がある。プーチン氏自身、エリツィン元大統領に後継指名され、1999年8月に首相に登用された後、大統領代行に就任した。

 プーチン氏は教書演説でも昨年12月の記者会見と同じように大統領任期を「連続2期まで」とする憲法規定を、「通算2期」までに短縮する改正の可能性に言及した。メドベージェフ氏は既に1期務めていることから、プーチン氏の後継候補の本命から外れた可能性もある。メドベージェフ氏は、2012年のプーチン氏の大統領返り咲きで、首相に就任していた。

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