AIもかなわない藤井聡太の飛び抜けてる「読み」!セオリーにない手に対局相手は「意味不明???」

J-CASTテレビウォッチ / 2020年7月10日 16時44分

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藤井聡太七段(NHKの番組ホームページより)

将棋の藤井聡太七段はいま、最年少のタイトル獲得に挑む。その棋譜をAI(人工知能)で分析すると、驚異的な強さの秘密が見えてきた。いきなり29連勝したデビュー当時の本人と今の本人を対局させるとどうなるかを、AIに想定分析させると、「今が昔に73%の確率で勝つ」と出た。将棋ソフト会社の担当者は「とんでもない強さです」と舌を巻いた。

「すごい」「まるでマジックだ」と驚かれる強さ

もともと藤井の終盤の強さは、「すごい」「まるでマジックだ」と他のプロ棋士からも驚かれるほど定評がある。それを培ってきたのが、幼いころから大好きだった詰め将棋。解いた問題は1万以上といわれ、終盤で一気に攻め込む指し手が際立っていた。

一方で、ライバル棋士たちは、序盤や中盤につけ入る隙ありと考えてきた。去年(2019年)5月、それまでの5連敗から初めて勝った都成竜馬六段は、「特徴が分かってきた」と話した。藤井はこの「弱点」をどう克服したか。

指し手が正しかったのかどうかを、藤井はAI搭載の将棋ソフトに評価させつつ考え抜いて、序盤の指し方を磨いたという。最近は序盤中盤の劣勢がめっきり少なくなった。

ライバルの広瀬章人八段は、「対応力に磨きがかかって、横綱相撲に近い」、中村太地七段は「レベルが高くなっている。隙がなくなった」と評する。

序盤・中盤の対応力にも磨き!スキなく最年少タイトルは間違いなし

この進化には苦悩もあった。師匠の杉本昌隆八段は、1年前、珍しく弱気な藤井に気づいた。「藤井は迷ったら、必ず攻めの一手なのですが、トップ棋士との対局が続いた去年は、弱気な守りを選んで負けることがありました。守りをいい手だと思ってしまい、力を出せないことを感じたのではないか」という。

愛知県瀬戸市の将棋教室で、藤井を5歳から教えた文本力雄さんは、小学生名人戦で敗れ、激しく悔しがる聡太少年を覚えている。「そこから這い上がる本質は、今も変わっていないと思います。胸の中に熱いマグマを持っている」

杉本も「悔しがる力をバネに原点に返れた」と観察した。コロナ禍で対局ができなかった2カ月間に、過去の将棋を見つめなおせたことも大きいという。

6月4日(2020年)の棋聖戦挑戦者決定戦で、藤井は驚くべき進化を見せた。相手の永瀬拓矢二冠と互角だった中盤54手、誰もが思わぬ「3六銀」。セオリーから外れたと、将棋関係者は一様に感じたのだが、永瀬二冠は「読んでいなかった手で、意味が何かあるとのか」と戸惑った。金で守りを固めるか、王を逃がすかなどと、「どれを考えても見通しがたたなかった」そうだ。1時間8分考えて王を逃がしたが、その後、攻めの一手を繰り出す藤井に追い詰められた。

これをAIに解析させると、1000万とおりの局面分析を組み入れたAIでは最善手は別にあると出たが、7000万とおりを組み入れたAIでは、これが最善手と結論づけられた。日本将棋連盟の佐藤康光会長は「感覚が根本から違う。読みの量が飛びぬけて多く、読みつくした中から新しい発見をしていく」と評価する。杉本は「藤井はAIで最善手が示されても、うのみにせずに、自分の頭で考える。まだ17歳、どこまで伸びるか、燃えつきることは彼に限ってない」と考えている。

7月後半も王位戦や棋聖戦の対局が予定されている。

※NHKクローズアップ現代+(2020年7月9日放送「藤井聡太七段 知られざる苦悩と進化」)

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