「持続化給付金」「休業協力金」なぜ非課税にならないのか 専門家解説と「飲食店の本音」

J-CASTニュース / 2020年7月11日 17時0分

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東京・渋谷の繁華街の客足は雨天もあって少なかった。都内では連日100人超の新型コロナ感染者が発表されていた(2020年7月6日)

新型コロナウイルス感染症の影響で売り上げが急減した事業者に支払われる「持続化給付金」や「休業協力金」。これらが実は課税対象だったことに、自粛要請に従い「青息吐息」となっている事業者から、不満の声が出ている。全国民1人に10万円が支給される「特別定額給付金」が非課税なこともあり、なおさら納得感を得られていないようだ。税務上の取り扱いの違いはなぜか。そして、飲食店主らの本音は。

「『緊急事態』ということだったので、行政の自粛要請に従って、泣く泣く休んだんです。その代償かと思っていましたが、税金をむしり取られるなんて。なんかおかしくないですか」

10万円の定額給付金は非課税なのに...

東京・渋谷でダイニングバーを経営する坂本秀昭さんは、そう憤る。休業していた2020年4~5月の売り上げはゼロ。店員5人は解雇したり休ませたりした。6月中旬から店を再開したが、「3密」対策で客数を絞っていることもあり、売上高は前年同月比の半分もいかないという。

坂本さんの場合、法人で一つの店を運営しているため、持続化給付金は200万円、休業協力金は50万円支給される。それでも坂本さんは納得がいかない。

「(休業中の分の)家賃や光熱費などに使ったら、1円も残らないでしょう。ところで、1人10万円の定額給付金は税金がかからないそうですが、(持続化給付金なども)同じように非課税にならないんですか」

坂本さんが言うように、全国民(個人)に1人10万円支給される定額給付金は非課税となっている。

一方、持続化給付金は、コロナ禍で売り上げが減った事業者が事業を続けられるよう国が支える目的で現金を給付する。休業協力金は、営業自粛要請に応じた事業者に都道府県が手当てする。国は7月14日から事業者の家賃負担を軽減するために家賃支援給付金の受け付けも始めるが、これらはいずれも課税対象だ。

課税、非課税と扱いなぜ異なる? 専門家が解説

なぜ扱いが異なるのか。東京国税局で法人、個人両方の部門の部長、次長を歴任した苫米地邦男税理士は次のように解説する。

「税法では『税金を負担できる人や会社に税金を支払って貰おう』という考え方を基本としています。そして『お金(利益)を得ているなら税金を負担できる』ということです。ただし、国民感情などからなじまないものについては、各税法の中に限定的に定めたり法律を別途つくったりして非課税となる収入や利益を特定しています」
「例えば、コロナ禍の影響で収入が減った家計への支援策として給付される(1人10万円の)定額給付金は非課税とされました。生活保護費や児童扶養手当などと同じように、憲法で保障された『最低限の生活』の維持のための支援という趣旨から非課税になったのです」
「一方、持続化給付金や休業協力金などは、本来、コロナ禍がなければ得られるはずだった売上を補填するという位置づけなので、売上金と同じように取り扱う、つまり課税対象とするという考え方なのです」

「どうせ赤字、税金は払わなくていい」「怒る人は儲かったんでしょ」

J-CASTニュースは7月上旬、東京・渋谷と新橋で、自粛要請に応じていた飲食店の店主十数人から話を聞いたが、7割近くの店主が税務上の対応の違いに、「納得いかない」などと話した。

ただ、取材に応じてくれた店主の中には、「やむを得ない」と理解を示した人もいた。東京・新橋の50代のバー経営者だ。

「休まずにテイクアウトを始めるとか、頑張って営業努力して黒字にした店が税金を払うのに、休んで働かず休業協力金をもらって黒字になった店が非課税になると、『働かない方が得だ』ってなる。それは不公平ですよね」

そもそも課税されるのは、事業で利益が出た場合だ。コロナ禍で苦しむ飲食業や観光業などの事業者の多くは今年度、赤字決算が見込まれている。新橋で韓国料理店を運営する会社の社長(47)もその1人だ。

「今年4~5月は休店し、6月以降も『3密』対策で3階建ての店舗の2、3階部分は窓がないので使っていません。つまり当面、売り上げは去年までの3分の1から半分くらいになると見込んでいます。当然今年は赤字でしょうから、持続化給付金などをもらっても法人税を支払うことはないでしょう」

先述の新橋のバー経営者も冷めた見方をする。

「持続化給付金が課税される、って怒ってる人は、(コロナ禍でも)税金を納められるくらい儲かったんでしょうね。うらやましいです。うちなんか廃業しようかと思ってるくらいで、納税なんか到底無理です」

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